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集中率下げ、顔の見える関係を-かかりつけ指導料、バリエーションも大事

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2016年06月08日 AM10:30


■厚労省・中井薬剤管理官が講演

厚生労働省保険局医療課の中井清人薬剤管理官は4日、福岡県宗像市内で開かれた福岡県薬剤師会の指導者研修会で講演した。2016年度診療報酬改定で新設された、かかりつけ薬剤師指導料・同包括管理料をさらに発展させていくため、小児や高齢者の服薬情報を一元的・継続的に把握した場合の加算を獲得するなど、バリエーションを増やしていく必要性を強調した。また、次回の改定でも大型門前薬局に対する評価が厳しくなることを踏まえ、かかりつけ指導料と2回目以降の点数を低く設定した「薬剤服用歴管理指導料」を通して、「とにかく集中率を下げるべき」と主張。複数の医療機関から処方箋を受けて一元管理するという医薬分業の原点に立ち返ると共に、OTC薬や衛生材料、健康食品なども取り揃え、医療従事者や地域住民と顔の見える関係を構築しておく必要性を強調した。

中井氏は、「かかりつけ薬剤師指導料」(70点)と「かかりつけ薬剤師包括管理料」(270点)について、多くの薬局がしっかり取り組んでいく過程で、小児や高齢者に対する薬学的管理のエビデンスが蓄積された場合に、加算を新設していくなど、枝葉を広げつつ、発展させていくことを「考えていかなければならない」との認識を示した。

また、厚労省が昨年10月下旬に策定した「」では、調剤報酬で薬局のかかりつけ機能を評価し、門前薬局を適正化する方向性について、「累次にわたる改定で対応する」としており、16年度改定がその第一歩となったことを踏まえ、次回も厳しくなると指摘。大型門前薬局との差別化を図るためにも、「処方箋の集中率を下げる努力をしてもらいたい」と要望した。

中井氏は、集中率を下げるに当たり、かかりつけ指導料と、初回の来局時に50点、過去6カ月以内に処方箋を持参した場合は38点に変更した「薬剤服用歴管理指導料」がポイントになると指摘。

これらの加算新設や要件の見直しによって、次回以降に医療機関を受診した際、「自分の薬局に処方箋を持ってくるよう」患者を説得しなければ、服薬情報の一元的・継続的管理が難しい状況になるためで、「良い意味での囲い込みが必要」とした。

また、かかりつけ薬剤師がかかりつけ医と連携して残薬や副作用をチェックして医師と共有するなど、「顔の見える関係」を構築する必要性も指摘。OTC薬や衛生材料、健康食品などを通して患者とも顔の見える関係を構築しておくべきとした。

こうした努力を重ねた結果、3割の薬局の評価が変われば、「薬局全体に対する評価も変わっていくだろう」との認識を示した。

調剤バッシングによって、「こんなに厳しくなるとは思わなかった」という16年度改定を振り返りつつ、何とか導入にこぎつけた、かかりつけ指導料について、「これを失敗したら次に打つ手がなくなる」と指摘。算定要件の適正なクリアも含め、「丁寧に育てることが大事」とした。

■福岡版グランドデザイン「育てることが必要」

また中井氏は、福岡県薬が昨年まとめた「福岡県版:薬局グランドデザイン」について、「トガっていて良い」と評価した。

グランドデザインでは、県民から求められる近未来の薬局・薬剤師の姿として、調剤以外に在宅訪問業務やOTC薬・ヘルスケア用品の販売、医療材料を取り扱う必要性を示しているほか、適切な「薬局規模」も示している。中井氏は、「これを批判せずに、出る杭を打たずに育てていくことも必要」とエールを送った。

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