第10回日本緩和医療薬学会年会が4、5の両日、浜松市内で開かれ、薬剤師がオピオイド鎮痛薬を使用する外来患者の服薬指導を積極的に行っている現状が報告された。2014年度診療報酬改定で新設された「がん患者管理指導料3」は、薬剤師が抗癌剤の投薬や注射の必要性を文書で説明した場合に算定できるが、同様に用法・用量の調節や副作用管理が必要なオピオイド鎮痛薬は対象となっていない。こうした中にもかかわらず、各医療機関では薬剤師個人の努力やモチベーションにより、オピオイド鎮痛薬を使用する外来患者への介入を行っており、診療報酬の算定対象となることで、さらに病院の取り組みとして弾みがつくとの声も出た。
日本医科大学病院薬剤部の輪湖哲也氏は、同院の緩和ケアチームへの依頼理由の6割が疼痛であること、薬剤師による外来介入率は昨年度で57.9%だったことを紹介。その上で、外来癌患者への疼痛治療における薬剤師の役割として、緩和ケア科へのコンサルト検討やスタッフミーティングでの前投薬や支持療法の提案などを示した。処方提案件数は、昨年度で253件、そのうち疼痛緩和関連が17件だった。