パクリタキセルとの併用療法・単剤療法を、プラセボと比較
アステラス製薬株式会社は6月3日、米国のメディベーション社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤「エンザルタミド」(製品名:XTANDI/イクスタンジ)について、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者を対象とした第3相試験「ENDEAR試験」を開始する予定と発表した。
乳がんのうちTNBCは、ホルモン受容体陽性乳がんと比較して、悪性度が高く、予後不良であることが知られている。今回の試験では、パクリタキセルによる化学療法とエンザルタミドの併用療法、およびエンザルタミドの単剤療法を、プラセボとパクリタキセルとの併用と比較し、有効性と安全性を評価。TNBC治療におけるエンザルタミドの使用可能性について確認していくという。
バイオマーカー陽性の進行性TNBC患者、約780例を組み入れ予定
ENDEAR試験は、国際共同無作為化第3相試験。新規のバイオマーカーである遺伝子発現プロファイル検査結果が陽性の進行性TNBC患者を対象としており、約780例を組み入れる予定。進行がんに対する薬剤治療をこれまでに受けていない、あるいは1種類の薬剤治療を受けている患者が対象となる。
同試験では、エンザルタミドの経口投与(1日に160 mg)を、パクリタキセルの静脈注射(90 mg/m2を週1回16週間、または医師の判断でそれ以上)との併用、または単剤療法で投与し、プラセボとパクリタキセルとの併用と比較する。主要評価項目は無増悪生存期間で、無作為化から最初に病勢の進行が確認されるまで、または死亡のうち、いずれかの事象が最初に起きるまでの期間と定義されている。
なお、同試験はメディベーション社が主導し、2016年第4四半期に患者の組み入れを開始する予定としている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース