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【旭川赤十字病院薬剤部】副作用救済制度、薬剤部が積極関与-DI室と連携し対象見極め

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2016年06月06日 AM11:00


■DI室と連携し対象見極め

旭川赤十字病院薬剤部は、医薬品による健康被害が認められた患者が速やかに医薬品医療機器総合機構()の医薬品副作用被害救済制度で給付を受けられるようにするための取り組みを進めている。病棟薬剤師がDI室と連携して医薬品の適正使用の可否などを確認し、救済制度の対象になる可能性を見極めた上で患者に制度の紹介を行ったり、薬剤師が必要に応じて書類作成の補助に関わるなどした結果、手続きがスムーズになり、2012年9月から14年にかけて3件の給付金支給が決定している。

副作用救済給付を受けるためには、発現した副作用と服用した医薬品との因果関係を証明しなければならず、副作用の治療を行った医師の診断書や、処方を行った医師の投薬証明書、薬局等で医薬品を購入した場合は販売証明書が必要となる。また、請求に必要な書類の作成は、主に主治医や患者本人が行うが、医療従事者からは「書類の作成が複雑・面倒」「時間がかかる」などの意見が上がっており、負担になっているのが現状だ。また、同制度の認知度が低いのも課題となっている。

同薬剤部では、救済制度の対象になるかどうかの見極めや、必要に応じて必要書類の作成を補助するなどの取り組みを行うことで、手続きをスムーズに進めるシステムを構築している。

まず、医薬品の副作用によって入院・入院期間が延長した患者について、病棟薬剤師が情報収集してDI室へ報告。医薬品の適正使用の可否や救済制度の対象薬剤かなどを確認し、救済制度の対象になると思われる場合に限り、患者に制度を紹介し、必要書類の作成の補助を行っている。

手続きを簡略化するため、給付に必要な書類を精査することも大事だ。抗甲状腺薬「メルカゾール」の服用で無顆粒球症が認められたケースでは、薬剤部が副作用の原因と思われる薬剤を処方した病院と副作用の治療を行った病院が同一だったことを確認。投薬証明書が不要になることなどを助言し、書類作成の手間を省いた。

薬剤部の畑中愛美氏は、患者への制度の紹介から給付金請求に至るまでのプロセスに病院薬剤師が積極的に介入することの必要性を強調した。

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