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悪性黒色腫治療薬の「タフィンラー」「メキニスト」新発売-ノバルティス

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2016年06月02日 PM01:30

BRAFキナーゼ活性、MEK1/MEK2活性の同時阻害でより強い抗腫瘍効果

ノバルティス ファーマ株式会社は6月1日、BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫()の治療薬として、今年3月28日に製造販売承認を取得した「(R)カプセル50mg・75mg」(一般名:)および「(R)錠 0.5mg・2mg」(一般名:)の2剤の販売を開始した。


画像はリリースより

皮膚がんの一種である悪性黒色腫の国内の患者数は約4,000人と推定され、日本人にとってはまれながんである。一方で、2012年の日本における皮膚がんによる死亡者数1,556人のうち約42%(652人)が悪性黒色腫によるもので、皮膚がんの中で最も悪性度が高いがんと言われている。

悪性黒色腫の患者のうち、約30%に腫瘍増殖に関与するBRAF遺伝子の変異が認められる。遺伝子検査により、腫瘍にBRAF遺伝子変異があるかどうかを判定するが、その結果が予後診断や適切な治療法の決定において重要な役割を果たす。

BRAF阻害剤であるタフィンラーは、ATP結合部位に競合的に結合することで、BRAFキナーゼ活性を阻害。アロステリックMEK阻害剤であるメキニストは、BRAFによるMEK1/MEK2の活性化とそのキナーゼ活性双方を選択的に阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。この2剤を併用することで、BRAFキナーゼ活性とMEK1/MEK2活性を同時に阻害することができ、より強い抗腫瘍効果を発揮することが期待されている。

米国など35以上の国・地域で併用療法承認

BRAF V600遺伝子変異陽性で切除不能または転移性の悪性黒色腫の患者を対象に行った海外第3相臨床試験BREAK-3試験において、タフィンラー単剤療法が既存の化学療法に比べて優れた有効性をもつことが検証されていた。その後、COMBI-v試験およびCOMBI-d試験では、タフィンラー単剤療法またはベムラフェニブ単剤療法と比較して、タフィンラーとメキニスト併用療法での全生存期間(OS)におけるベネフィットが実証され、さらに日本人を対象とした国内第1/2相臨床試験(MEK116885試験)において、併用療法は国内の患者でも海外の患者と同様の有効性が期待できる結果が示されたとしている。

タフィンラーの単剤療法は、2013年5月に米国で最初の承認を取得。現在、欧州、オーストラリア、カナダ等、55以上の国・地域で承認されている。またメキニストの単剤療法は、2013年5月に米国で初めて承認。現在、35か国で承認されている。両剤とも、日本では、2015年4月22日に厚生労働省より希少疾病用医薬品()として指定され、2016年3月28日に製造販売承認を取得している。

なお、2016年3月現在、タフィンラーとメキニストの併用療法は、米国のほか、オーストラリア、カナダなど、35以上の国・地域で承認されている。

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