市中肺炎患者対象の第2相試験で
富士フイルムグループである富山化学工業株式会社は5月26日、市中肺炎患者を対象とした「T-4288」(一般名:ソリスロマイシン)の国内臨床第2相試験において、有効性および安全性を確認したと発表した。
T-4288は、米国のCempra社が創製した新規マクロライド系抗菌薬。既販品のマクロライド耐性の肺炎球菌、マイコプラズマに対し強い抗菌活性を示すとともに、比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)を有する薬剤で、米国ではCempra社が4月に細菌性の市中肺炎の適応で、米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行った。
富山化学は2013年5月に、Cempra社と「T-4288」の日本における開発、製造及び販売の独占的権利に関するライセンス契約を締結。臨床第1相試験を経て、昨年1月から臨床第2相試験を開始した。
重大な副作用認められず、第3相試験へ
第2相試験においては、市中肺炎患者を対象に、経口で5日間反復投与した「T-4288」のQD群(初日に800mgを1回投与し、2日目から5日目は400mgを1日1回投与する群)及びBID群(初日に400mgを2回投与し、2日目から5日目は400mgを1日1回投与する群)の有効性と安全性を検討した。
その結果、「T-4288」投与群のITT集団における有効率はQD群が77.3%(44症例中34症例)、BID群が72.7%(44症例中32症例)。また、PPS集団における有効率はQD群が85.0%(40症例中34症例)、BID群が77.5(40症例中31症例)で、臨床上問題となる重大な副作用は認められなかったとしている。
今後、この結果を踏まえて臨床第3相試験の準備を進めると、同社は述べている。
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・富山化学工業株式会社 プレスリリース