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BENRALIZUMAB、年間喘息憎悪率を有意に低減-英AZ

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2016年05月24日 AM06:00

薬事申請を目的とする2つの第3相試験の結果発表

英国のアストラゼネカ社は5月17日、新薬候補である抗好酸球モノクローナル抗体「」が、薬事申請を目的とする主要な2本の第3相試験(SIROCCO試験およびCALIMA試験)において良好な忍容性を示し、主要評価項目である年間喘息増悪率をプラセボと比較して有意に低減させたと発表した。

喘息症例全体の約10%が重症で、そのうち約40%はコントロール不良であると言われている。コントロール不良の重症喘息患者の死亡リスクは、重症喘息患者の8倍とされ、経口ステロイド依存を引き起こす可能性がある。全身性ステロイド薬は骨粗しょう症や不安感、うつ、体重増加、、糖尿病など、様々な深刻で不可逆的な副作用を起こすことがある。重症喘息患者においてはまた、疾患の身体的負担ならびに社会経済的な負担も大きく、疾患関連費用の約50%にあたるという。

Benralizumabは、協和発酵キリン株式会社とアストラゼネカのグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにより開発。好酸球は、喘息患者の約半数において炎症と気道過敏性を増強させる生物学的エフェクター細胞だが、Benralizumabは、NK細胞活性化によって、その好酸球を標的とする抗体依存性細胞傷害(ADCC)により好酸球を減少させる、抗好酸球モノクローナル抗体である。骨髄や血液、標的組織中の好酸球を、直接的かつ迅速にほぼ完全に除去するという。

米国・EUにおける薬事申請は、2016年下半期の予定

今回結果が報告されたSIROCCO試験およびCALIMA試験は、好酸球性炎症を有する、コントロール不良の12歳以上の重症喘息患者に対する追加療法として、Benralizumabの2つの用量レジメンの有効性と安全性を評価したもの。

両試験では、ベースラインでの血中好酸球数が300cells/μL以上で、高用量の吸入ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬の併用療法を受けている患者を主要評価解析対象集団とした。対象患者は、Benralizumab 30mgを4週ごとに投薬する群、Benralizumab 30mgを4週ごとに最初の3回の投薬を行い、その後は8週ごとに投薬する群、またはプラセボ投与群に無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である年間喘息増悪率をプラセボと比較して有意に低減させたという。また、同剤の安全性および忍容性の結果は、従来の試験において報告された結果と概ね一致したとしている。

なお、両試験の結果は、今後の医学系学術集会において発表するという。米国およびEUにおける薬事申請は、2016年下半期の予定としている。

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