血液がんのPD-1阻害剤で初めて
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は5月17日、自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)、および移植後のブレンツキシマブベドチンによる治療後に再発、または進行した古典的ホジキンリンパ腫(cHL)患者の治療薬として、「オプジーボ(R)」(一般名:ニボルマブ)がFDA(米国食品医薬品局)より承認を受けたと発表した。
この承認は、auto-HSCTおよび移植後のブレンツキシマブベドチンによる治療後に再発または進行した古典的ホジキンリンパ腫の患者を対象としたCheckMate-205試験およびCheckMate-039試験の統合データに基づくもの。今回の迅速承認はこれらの奏効率に基づいており、血液がんにおいて初めて承認されたPD-1阻害剤となる。
この解析(95例)において、同剤は高い奏効率(ORR)を示し、ORRは65%(95%信頼区間:55-75;95例中62例)。完全奏効を達成した患者の割合は7%(95%信頼区間:3-15;95例中7例)、部分奏効は58%(95%信頼区間:47-68;95例中55例)だった。奏効が認められた患者において、奏効は長期にわたり継続し、奏効期間の中央値は8.7か月(95%信頼区間:6.8-評価不能、範囲:0.0+-23.1+)だったという。
2016年、ホジキン病で1,100人以上が死亡と推定
古典的ホジキンリンパ腫は、ホジキン病とも呼ばれ、身体の免疫系の一部であるリンパ球に発現するがん。2016年には、新たに約8,500人が診断され、1,100人以上が死亡すると推定されている。リンパ腫研究財団(Lymphoma Research Foundation)によると、古典的ホジキンリンパ腫はホジキンリンパ腫の中で最も一般的で、全症例の95%を占める。このタイプのホジキンリンパ腫において、がん細胞は、異常なBリンパ球であるリード・シュテルンベルク細胞と呼ばれる。
オプジーボは、転移性の悪性黒色腫、進行・再発の非小細胞肺がん、進行期腎細胞がんに今回の承認を加え、4つの異なるがん腫で8件の承認を2年足らずで取得。3つの固形がんに加えて、今回血液がんに適応が拡大された。