厚生労働省の医療計画の見直しに関する検討会の初会合が20日に開かれ、2018年度からの第7次医療計画の作成指針策定に向けた議論を開始した。地域包括ケアシステムの構築に向け、地域医療構想を踏まえた二次医療圏と構想区域の関係など課題が指摘され、医療従事者の養成と確保の検討に当たって薬剤師も位置づけるよう求める意見も出た。今後、医療圏の見直しなどについて月1回程度議論し、年内をメドに意見をまとめる予定。
第7次医療計画は、18年度からの6年計画で策定されることになっており、25年の地域包括ケアシステムの完成直前まで実行される重要な位置づけとなる。既に各都道府県では地域医療構想の策定に動き出しているが、初会合では構想区域と二次医療圏の関係について意見が相次いだ。
鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、「地域医療構想を踏まえて、二次医療圏の考え方に柔軟さが必要」と述べた。西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)は「第6次計画と違うのは、より現場に基づく地域医療構想が始まったこと」と指摘。「第7次計画は、現場から積み上げてきている地域医療構想をもとに作るべき」と述べ、二次医療圏と構想区域を一本化すべきとの考えも示した。
また、安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、医療従事者の養成と確保について言及。「在宅医療の推進に当たって薬剤師を地域の中にしっかり確保していかなければならない」と主張。「医薬・生活衛生局と連携し、地域の中で在宅医療を担う薬剤師の数も抜けないようにしてほしい」と要望した。
今後、人口構成や患者の移動を踏まえた医療圏の見直しや、地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療を推進するための検討など、第7次計画の作成への課題を議論していく。特に集中的な検討が必要な項目に、地域医療構想と地域包括ケアシステムの構築を位置づけ、これら項目はワーキンググループを立ち上げて議論する。年内には意見を取りまとめる予定。