「先端的な免疫学研究活動に関わる包括連携契約」を締結
大阪大学と中外製薬株式会社は5月19日、同大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)と中外製薬による先端的な免疫学研究活動に関わる包括連携契約を締結したと発表した。
中外製薬は、この契約により10年間にわたる年間10億円の拠出を通じて、IFReCが取り組む自主研究テーマに関する成果の情報開示を受けるとともに、共同研究に関する第一選択権を取得する。また、双方の研究者の交流や共同研究を実施するための“連携推進ラボ”をIFReC内に設置し、革新的な医薬品を連続創出するための基盤を構築するという。
免疫学分野における革新的新薬の創製に期待
IFReCは、文部科学省が2007年度に開始した事業「世界トップレベル研究拠点プログラム」(WPI)に採択され、2007年10月に同大学内に発足した研究拠点。国内外から免疫学、生体イメージング、バイオインフォマティクス分野の世界トップレベルの研究者約30名が主任研究者として集結し、免疫学研究を遂行している。一方の中外製薬は、2005年に国産初の抗体医薬品「アクテムラ」の開発に成功。現在は、独自の抗体改変技術を用いたACE910(emicizumab)、CIM331(nemolizumab)の開発を進めている。今後は、新たな創薬技術の柱となる中分子創薬技術も駆使してファーストインクラス、ベストインクラスの医薬品の研究・開発に力を注いでいきたいとしている。
今回の契約により、IFReCが有する世界最先端の免疫学研究と、中外製薬が独自の技術で培った創薬研究のノウハウが組み合わされることで、基礎研究から臨床応用研究までの障壁が解消され、これまでにない免疫学分野における革新的新薬の創製が期待される。両者は今後、常時5~10件の共同研究を推進することを目標にしているという。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース