エルプラットの後発医薬品を製造販売する日本化薬に対して
株式会社ヤクルト本社とスイスのDebiopharm International社(デビオファーム社)は5月16日、ヤクルト社が製造販売する抗悪性腫瘍剤「オキサリプラチン」の後発医薬品の製造販売承認を取得・販売している日本化薬株式会社に対し、損害賠償を求める訴訟を提起したと発表した。
訴訟理由は、デビオファーム社が保有しヤクルト本社に実施権を許諾している製剤特許(特許第4430229号)の侵害。両社は、同日付で東京地方裁判所に損害賠償を求める特許権侵害訴訟を共同で行った。
日本化薬「特許侵害はない」と主張
「エルプラット(R)点滴静 注液50mg/同100mg/同200mg」として販売される同剤は、白金錯体であるオキサリプラチンを有効成分とする抗悪性腫瘍剤だ。1997年にヤクルト本社がデビオファーム社から日本における開発・販売権を取得。2005年3月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」の効能・効果で承認されて以降、数多くのがん腫で承認を取得している。
なお、日本化薬は5月17日、同社ウェブサイト上で「デビオファーム社の製剤特許についての専用実施権者である株式会社ヤクルト本社から特許権侵害に基づく損害賠償請求訴訟を提起したとの情報に接しましたが、これに対しましても、その製剤特許を侵害していないことを引き続き主張・立証してまいります」との見解を発表。同社が販売している「キサリプラチン点滴静注液50mg「NK」」、「オキサリプラチン点滴静注液100mg「NK」」、「オキサリプラチン点滴静注液200mg「NK」」について、これまで通り販売を続けると発表している。
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