全身性エリテマトーデスに合併するループス腎炎
中外製薬株式会社は5月13日、免疫抑制剤「セルセプト(R)カプセル250」および「セルセプト(R)懸濁用散31.8%」(一般名:ミコフェノール酸モフェチル)について、厚生労働省より「ループス腎炎」に対する効能・効果追加の承認を取得したと発表した。
ループス腎炎は、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)に合併する難治性の疾患で、国内の患者数は約30,000人と推定されている。また、SLEは2015年1月に施行された「難病の患者に対する医療等に関する法律」の指定難病に選定されている。
2015年7月の未承認薬検討会議で公知申請に該当すると評価
セルセプトは、これまでに「腎移植後の難治性拒絶反応の治療」「腎移植、心移植、肝移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑制」を効能・効果として販売されてる。また、2015年7月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、ループス腎炎に対する効能・効果について公知申請に該当すると評価され、その後開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、同効能・効果の追加に対し、公知申請を行って差し支えないと正式に決定された。これを受け、中外製薬は同年8月24日に効能・効果追加について公知申請を行い、今回の承認取得に至った。
欧米各国の治療ガイドラインにおいて同剤は、ループス腎炎に対する標準的治療薬の1つとして推奨されている。一方で、催奇形性を有する薬剤であり、国内外において、同剤の投与を受けた患者に先天性奇形を有する児の出産および自然流産が報告されている。このため、セルセプトの使用にあたっての留意事項については、通知(薬食審査発0731第7-9号、薬食安発0731第4-6号)が発出されている。
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・中外製薬株式会社 プレスリリース