切除不能または転移性悪性黒色腫、進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がんの治療薬として
小野薬品工業株式会社は5月9日、台湾の子会社である台灣小野藥品工業股份有限公司が、ヒト型抗ヒトPD-1 (programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ(R) 20mg、100mg 点滴静注」(一般名:ニボルマブ)について、5月6日に「切除不能または転移性悪性黒色腫」および「進行・再発の扁平上皮非小細胞肺がん」の治療薬として、台湾食品薬物管理局(TFDA)から承認を取得したと発表した。
悪性黒色腫は、皮膚の色と関係が深いメラニン色素の産生能を持つ色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍で、皮膚がんの中でも転移率が高く、きわめて悪性度が高いとされている。台湾においては、2013年に約260人が発症し、約160人が亡くなっている。
また肺がんは、台湾では2012年に約1万2,000人が発症し、約9,000人が亡くなっている。台湾においては、非小細胞肺がんが肺がんの約9割を占めており、非小細胞肺がんの患者の約2割が扁平上皮非小細胞肺がんだ。2012年には、新たに約2,000人が扁平上皮非小細胞肺がんと診断されている。
上市後は台湾小野と台湾BMSが共同で販売を促進
オプジーボは、日本において世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体として、2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として、世界に先駆けて製造販売承認を取得。2015年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する効能・効果が追加承認されている。海外においては、日本、韓国、台湾で協働するブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、現在50か国で当局から承認を受けている。今回、同剤は、PD-1を標的とする肺がん治療薬として台湾で初めて承認を取得した薬剤となる。
なお、オプジーボの製造は小野薬品が担当し、完成品を台湾小野に供給。また、2014年7月にブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した戦略的提携関係に基づき、上市後は台湾小野と台湾BMSが共同で販売促進を実施するという。
台湾小野は、オプジーボがより適正に使用されるために、安全性および有効性に関する臨床デー タを集積して、同剤の適正使用に必要な措置を講じていくとしている。
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・小野薬品工業株式会社 プレスリリース