岐阜薬科大学は、2025年までの中長期計画をまとめた。教育、研究、地域貢献を三つの柱と位置づけ、研究力を身につけた薬剤師、臨床の分かる薬学研究者を輩出すると共に、新薬創出につながる研究に力を入れていくなどの目標を掲げた。
中長期計画では、超少子高齢化や医療システムの変化など外部環境に加え、薬剤師国家試験受験資格の特例措置の廃止やキャンパス分割など大学が抱える課題を指摘。その上で、今後10年間に目指すべき具体的な大学像として、教育ビジョン、研究ビジョン、社会貢献ビジョン、国際化ビジョンを設定した。
教育ビジョンの実現に向けては、17年度入学者から実施する「新6年制」の導入・確立を打ち出し、臨床のみならず基礎研究など研究力を身につけた薬剤師、臨床の分かる研究者を育成すると共に、大学院の教育・研究体制についても、大学院博士課程の改組を検討し、社会ニーズに応える高度な研究者を育成するとした。
基礎科目と専門科目を有機的に関連づけ、グリーンファーマシー教育を推進し、専門的かつ幅広い知識と臨床的な実践能力を備えた薬学スペシャリストを育成するほか、全国の薬学部に先駆けて設置した附属薬局を活用していく方針を示した。
研究ビジョンでは、新薬シーズの探索やクリーンでエコな合成法の開発、レギュラトリーサイエンス研究など、薬のライフサイクル全ての研究で日本、世界をリードする新薬開発への挑戦を掲げる一方、地域に根ざしたコホート研究や薬草など伝承薬の研究をはじめ、地域住民の健康と生活の質向上に貢献する方向性も打ち出した。
また、本部と三田洞キャンパスに分散しているキャンパスについて、早期の統合と再整備を行う方針を明記した。