自民党の厚生労働部会は4月27日、未承認薬等を使用した臨床研究の実施手続きや製薬企業から受けた資金提供について契約締結や公表を義務づける「臨床研究法案」(仮称)を了承した。大型連休明けの10日に党内審査を経て、今通常国会に法案を提出する予定。会期内の成立を目指す。
臨床研究法案は、臨床試験の実施に関する手続きと製薬企業等が講じるべき措置を柱に構成。そのうち、未承認薬等の臨床研究、製薬企業から資金提供を受けて実施される医薬品の臨床研究を「特定臨床研究」と位置づけ、これらの特定研究を実施する研究者に対し、モニタリング・監査の実施などの実施基準を遵守するよう義務づける。
実施基準違反があった場合、厚生労働大臣が改善命令を行い、これに従わなければ、特定臨床研究の中止命令等の措置を講じたり、罰則規定を設ける。
一方、製薬企業に対しては、資金提供している医薬品の臨床研究について毎年度の状況を公表すると共に、契約を締結して実施することも義務づける。資金提供の公表範囲は、臨床研究費、自社製品の研究責任者が所属する機関への寄付金、原稿執筆料・講師謝金等については義務づけ、これに違反した場合は指導・助言、勧告を行い、勧告に従わない場合は企業名を公表する。特定臨床研究の実施に当たっては、この法律を遵守する義務が生じるが、それ以外の既承認薬を用いた臨床研究に対しても、努力義務として法律を遵守するよう求めている。