世界有数のウイルス研究設備を備えるサスカチュワン大学「VIDO-InterVac」
アンジェスMG株式会社は4月26日、DNAワクチン技術を用いたエボラ出血熱抗血清製剤の開発について、カナダ・サスカチュワン大学と提携することを発表した。
同社はかねてから、DNAワクチン技術を応用してエボラ出血熱対策医薬品として抗血清製剤の開発を進めていた。今回、ワクチンと感染症の研究開発では世界でも有数の施設であるカナダ・サスカチュワン大学の「Vaccine and Infectious Disease Organization – International Vaccine Centre」(VIDO-InterVac)と共同で、抗血清製剤の特性、製造および品質向上の検討を進めることになったという。
サスカチュワン大学のVIDO-InterVacは、世界有数のウイルス研究設備を有し、感染症に対する革新的なワクチンや免疫治療薬の開発において海外の企業・機関と連携している研究機関。アンジェスMGは、日本国内ではエボラウイルスに対する抗血清の効果や品質を検討する施設がないことから海外の施設を検討しており、これまでの実績から同大学のVIDO-InterVacが最適であると判断したとしている。
病原ウイルスを扱わないDNAワクチン技術を用いた抗血清製剤
アンジェスMGが開発を進める抗血清製剤は、エボラ出血熱ウイルスのタンパク質をコードするDNAワクチンをウマに接種し、その血清に含まれる抗体を精製して製造する治療薬。DNAワクチン技術を用いることで、病原ウイルス自体を取り扱わないため、安全かつ短い期間で製造でき、緊急の対策を必要とするエボラ出血熱治療薬として適していると考えられる。
同社が既に実施した予備的な検証試験において、同DNAワクチンの接種によりウイルスタンパク質に対する高い抗体価を有するウマ血清が製造できることを確認しているという。なお、同社はこのDNAワクチン技術を保有する米Vical社から、国内の独占的開発販売権を取得している。
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・アンジェス MG株式会社 プレスリリース