低侵襲な診療方法の普及により、病気の早期受診・発見のきっかけに
東京医科大学と工学院大学は4月22日、治療や診断における患者の身体的な負担をできるだけ小さくする低侵襲な治療方法や診断装置の新規開発に特化した共同研究事業を開始するにあたり、4月21日付けで、両大の学長による合意書への署名を行ったと発表した。
画像はリリースより
超高齢社会を迎えた日本では、年間医療費が40兆円超えるという課題を前に、対策が求められている。特に、健康なまま年齢を重ねるために日々の生活習慣を改善する予防行為が重視され、先制的に病に対応する医療の推進が必要だ。その原動力となるのが、身体的な負担が少ない低侵襲な治療や診断であり、低侵襲な診療方法が進化・普及すれば、患者の負担減になり、医療機関への早期の受診も進み、早期発見のきっかけになると考えられている。
低侵襲医療開発総合センターで、7つの共同研究グループをスタート
東京医科大では、これまでも光線力学的治療など低侵襲な治療方法に積極的に取り組んできていた。近年は、低侵襲医療の代表格とも言える「ダヴィンチ」によるロボット手術に国内でも早期に取り組んでいる。また、同大学では、創立100周年事業の一環として、4月に「低侵襲医療開発総合センター」を設置。「ロボット・診断治療装置開発部門」と「健康増進・先制医療応用部門」の2部門を置いている。
またこれまでにも東京医科大は、東京薬科大学、工学院大学と医薬工3大学包括連携協定を結んでおり、さまざまな協同事業を展開してきたことから、今回の共同研究事業の合意に至ったという。同センターでは、機械工学や映像工学と、様々な医療の分野とが、より密に協同することで、研究・開発の促進につながると期待を寄せている。
まずは、短期間での実用化の可能性が高いもの、または短期間での実用化が求められているテーマを抽出し、「新規人工股関節シミュレーターの開発」や「ブレインコンピュータインターフェース(BCI)を用いた認知症の早期診断」など7つの共同研究グループをスタートさせる予定だ。
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・東京医科大学 プレスリリース