日本薬剤師会は、20日から熊本地震の被災者に対する支援活動を本格化させる。避難者に対する医薬品の供給やJMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動に応じた調剤に対応するため、救護所がある避難所に1日当たり薬剤師15人を派遣することを想定し、現地に派遣する薬剤師を全国から募集している。
派遣薬剤師の集合場所となるのは、熊本市中央区の熊本県薬剤師会館。現地への交通手段は、九州各県から派遣する場合は自動車となるが、それ以外は福岡まで飛行機または新幹線を利用し、そこからレンタカーを利用する方向で調整している。
現時点での派遣先は、益城町総合体育館、益城町保健福祉センター、阿蘇熊本空港ホテルエミナース、宇土市役所で、その他の避難所についても巡回する。派遣先は、今後も増える可能性があるという。
派遣期間は20日から、当面、5月の大型連休明け(10日)までを予定しており、派遣人数については、現時点で1日15人程度を想定している。交通費や宿泊費、レンタカー代、ガソリン代、高速代は日薬が実費負担し、食事、水、日用品等は各県薬の負担となる。宿泊は、車中またはテントで、毛布、寝袋、テント等は各自で用意する。日薬は、可能な限り、3人1グループを基本とし、移動日を除いた3泊4日以上の派遣を求めている。
都道府県薬は、派遣可能な薬剤師の名簿(氏名、年齢、性別、携帯番号、出動可能な期間)を専用の用紙に記入し、メールアドレス:saigai-haken@nichiyaku.or.jpに送付する。
これまでにも、熊本県薬が熊本県からの要請を受け、災害薬事コーディネーターを熊本県庁、災害支援薬剤師を益城町および熊本市にそれぞれ派遣。日薬や他県の薬剤師会から薬剤師等計16人を16日から現地に派遣し、医薬品の供給を行ってきた。
また、熊本県薬をはじめ九州の各県薬が薬剤師を派遣し、JMATと連携して避難所での医療支援活動などを行っており、20日まで活動が継続される予定だが、日薬では「長期的な対応が必要になる」とし、全国から現地に派遣する薬剤師の募集を決めた。