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【熊本地震】製薬各社に影響-営業所に損傷、営業活動中断も

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2016年04月20日 AM10:00

先週の14日、16日に熊本地震が発生したのを受け、薬事日報社は製薬各社の被災状況(18日現在)をまとめた。人的被害は発生していないが、一部の企業では熊本市内の営業所で被災が確認されている。MRの安全確保のため、熊本地域での営業活動を見合わせる企業も目立った。

社員総出で支援物資を仕分け・配送する(三和化学)

化学及血清療法研究所は、複数の建物や設備に被害が生じたため、現在生産を中止。復旧に向けた対策プロジェクトを設置し、調査を実施している段階にあり、18~20日の3日間を臨時休業にすることを決めた。生産再開に向けた復旧作業には時間がかかる見通し。

三和化学研究所の熊本工場は、建物に甚大な被害はないが、製造設備などについては現在調査中。操業を停止しているものの、各製品の在庫は確保されており、すぐに欠品するような事態は回避できるとしている。

協和発酵キリンの熊本営業所は、被災のために人の立ち入りができない状況。熊本に残る8人の社員は自宅待機で、それ以外は福岡県に避難している。停電が続いており、立体駐車場から社用車を出せない状態が続いている。備蓄品も営業所から取り出せない状況にあるため、福岡から熊本に備蓄品の輸送を行っている。第一三共は、熊本の営業所が被災し、建屋に不具合が発生。立ち入りができない状況にあるという。

あすか製薬は、熊本営業所が被災し、MR7人が自宅待機を行っている。キッセイ薬品も営業活動をいったん中断し、MRが自宅待機しメールなどで情報収集を行っている。杏林製薬は16日の時点で営業所内にひびが入っており、営業活動も様子を見ている段階。日本新薬は、熊本市内の南九州支店に目立った損傷はないが、安全が確認できるまで社員は自宅待機としている。

ゼリア新薬の熊本出張所は、電気や水道などが寸断されており、業務停止中。

持田製薬は、熊本事業所の外壁にひびが入り、室内にモノが散乱するなど影響を受けた。社員は自宅待機、県内の避難所や県外に避難しているという。今後の対応は状況を見て検討する。

沢井製薬の九州第1、第2工場は、共に異常なし。ただ、熊本営業所は建物の一部破損、通信機器の電波障害により、福岡支店で代替対応を行っている。

久光製薬は、MRの安全を確保するため、熊本営業所での営業活動を中断している。小野薬品と日医工も現在、営業活動を行っていない。

中外製薬は、熊本営業所に大きな問題は起きていないが、MRがオフィスで待機し、本格的な営業活動は行っていない。日本ケミファの熊本営業所では、上長の指示に従って必要に応じてMR活動を行っている。

大正富山医薬品の熊本営業所を持つ大正製薬、、エーザイは被害の有無や程度を確認中。田辺三菱製薬では、大分県の吉富工場に大きな被害はなく、現在設備を点検中。東和薬品は営業を継続している。大日本住友製薬も一部自宅待機のMRがいるものの、営業を行っている。

扶桑薬品の福岡・鹿児島の事業所は被害なし。ただ、扶桑が医薬品を供給する透析患者については、熊本での治療が難しく、福岡や鹿児島の医療機関で治療する必要があるため、医薬品卸と協力しながら、対応する方向。

大塚製薬も、佐賀の研究所に被害はなく、各支店の判断で営業している。ツムラは、熊本に生薬栽培の管理圃場を持つが、被災などは受けていない。営業面では各自判断の上、医療機関への情報提供を行っている。

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