厚労省は、医薬分業を進める観点から、病院と薬局を同じ建物や敷地内に併設することを省令で禁止していたが、患者の利便性などを考慮し、薬局の経営が医療機関と独立していることを前提に、敷地内への薬局の併設を認める方針を示していた。
改正通知では、医療機関と一体的な構造に該当するケースとして、▽医療機関の建物内にあり、医療機関の調剤所と同様と見られる▽医療機関の建物と専用通路等で接続されている――を挙げた。また、これらの事例には当てはまらなくても、▽医療機関と同一敷地内に存在し、薬局の存在や出入口を公道等から容易に確認できない▽医療機関の休診日に公道等から薬局に行き来できなくなる▽実際には医療機関を受診した患者の来局しか想定できない――など、患者を含む一般人が薬局に自由に行き来できないような構造も一体的な構造と見なされるとの解釈を示した。
個別の事例については、現地の実態を踏まえ、地方社会保険医療協議会に諮った上で判断するとした。また、「保険薬局の独立性の確保の観点から、いわゆる医療ビルのような形態は好ましくない」ともした。
一方、医療機関と薬局が一体的な経営を行っている場合も規制の対象になることを明確化。
具体例として、▽薬局の開設者(役員を含む)が医療機関の開設者または開設者と同居または開設者と生計を一にする近親者▽薬局の開設者と医療機関の開設者の間の資本関係が実質的に同一▽職員の勤務体制、医薬品の購入管理、調剤報酬の請求事務、患者の一部負担金の徴収にかかる経理事務等が特定保険医療機関と明確に区分されていない▽特定の医療機関との間で、いわゆる約束処方、患者誘導等が行われている――などを挙げた。
また、保険薬局の指定や指定更新の際には、薬局に対して不動産の賃貸借関連書類等の経営に関する書類等の提出を求め、一体的な経営に当たらないことを確認する。