小児期~若年では筋ジストロフィーに類似した経過をたどる壊死性ミオパチー
体外診断薬の輸入及び販売を行う株式会社コスミックコーポレーションは、壊死性ミオパチー(immune-mediated necrotizing myopathy, iNM)で検出されるシグナル認識粒子(signal recognition particle, SRP)に対する自己抗体ならびに3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A reductase(HMGCR)に対する自己抗体の受託測定を2016年3月1日付で開始したことを発表した。
壊死性ミオパチーは、亜急性、高度の四肢筋力低下、嚥下障害、呼吸筋、体幹筋の障害を伴う炎症性筋疾患の新しい概念であり、現在自己抗体が原因と考えられている。著明な壊死や再生像が特徴でありリンパ球の細胞浸潤が乏しいため、筋病理からは筋炎と診断することは難しいという。また、小児期~若年での発症例は、筋ジストロフィーに類似した経過をたどるため、鑑別が難しい疾患といわれる。
ELISA法により簡便かつ迅速に検体の検査報告が可能に
従来の検査法のRNA免疫沈降法は、検出感度は優れているが、測定者の技量に負うところが大きく、測定可能な施設が限られていた。また、検査に時間がかかることが課題とされていたが、幅広く利用されているELISA法での系を開発したことで、簡便かつ迅速に検体の検査報告が可能となったとしている。その精度は、抗SRP抗体では感度98%、特異度100%、抗HMGCR抗体では感度100%、特異度99%だという。
同社商品開発部長の稲垣貴之氏はプレスリリースで、「本測定系は、従来用いられているRNA免疫沈降法との相関も非常に高く、RNA免疫沈降法の代替品としてその性能を十分に有しています。近年、神経学会や神経免疫学会においても本疾患のセッションが組まれ注目を浴びてきていることから、この分野のさらなる啓発で患者さんのQOLの向上に貢献して参ります。」と述べている。
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