■厚労科研で中間報告
内服薬の処方箋記載方法について、厚生労働省保険局の通知で1回量と1日量を併記することが義務づけられているにもかかわらず、実際に処方箋に併記している医療機関は14.5%にとどまることが、厚生労働科学研究班「内服薬処方せんの記載方法標準化の普及状況に関する研究」(研究代表者:土屋文人国際医療福祉大学薬学部特任教授)の中間報告で明らかになった。既に病院情報システムやレセコンのベンダー企業は、1回量と1日量を併記するシステムを開発済みで、ほとんどの医療機関が通知を認識していたが、実際には対応が進んでいないことが分かった。研究代表者の土屋氏は「まず現行の保険上のルールを遵守することが必要」と話している。
調査は、処方箋の記載を1回量と1日量を併記する方法の普及状況について、全国の臨床研修実施病院1018施設、小児専門施設20施設を対象に実施した。回答率はそれぞれ57%、65%だった。その結果、2009年にまとめられ、処方箋への1回量記載を提言した「内服薬処方箋記載のあり方に関する検討会」の報告書を知っているか尋ねたところ、91.6%の医療機関が知っていると回答したが、処方箋の書き方に関して職員に周知活動を行っていない医療機関が63.7%に上った。その理由については、「実施する期限が定められていないから」との回答が38.5%と最も多かった。