厚生労働省は28日、第101回薬剤師国家試験の結果を発表した。受験者数1万4949人のうち、合格者は過去最多の1万1488人で、合格率は76.85%だった。合格者数は、前回より1732人増え、合格率も前回から約14ポイントほど上昇した。合格率上昇は、直近2回の国試に比べ、試験問題の難易度が下がったことが主な要因と見られるが、厚労省は、基礎問題などで、医療現場で必ずしも必要とはいえない知識を問う設問があったとの指摘を踏まえ、「薬剤師として本当に必要な知識を問う問題が増えたためではないか」としている。
国試は、1万6658人が出願し、1万4949人が受験した。6年制新卒者について、出願者数と実際に受験した学生の数を設置主体別で比較すると、国立大学では474人の出願者数に対し、受験者数は470人。公立大学は同様に218人、216人だった。しかし、私立大学は8933人の出願者数に対し、受験したのは7556人で、1377人もの学生が“何らかの理由”によって受験を取りやめている。
「6年制新卒」の合格率は86.24%、「6年制既卒」が67.92%で、それぞれ合格率が低水準だった前回の72.65%、67.92%から約14ポイント上昇した。
大学の設置主体別の合格者数は、国立が580人(合格率84.43%)で、うち6年制新卒が431人(91.70%)、6年制既卒が75人(76.53%)、その他が74人(62.18%)だった。
公立は256人(84.49%)で、うち6年制新卒200人(92.59%)、6年制既卒39人(70.91%)、その他が17人(53.13%)。私立は1万0652人(76.31%)で、6年制新卒6477人(85.72%)、6年制既卒4087人(67.76%)、その他88人(23.78%)だった。
大学別に合格率を見ると90%を超えたのは12校、60%を下回ったのは8校となった(表参照)
また、必須問題の問21において、二つの選択肢を正解として採点したほか、一般問題(薬学実践問題)の問197、一般問題(薬学実践問題)の問208について、不適切な記載があり、採点対象から除外した。
今回の国試から、これまでの「絶対基準」から、「平均点と標準偏差を用いた相対基準」に変更し、試験ごとに合格基準を決めるようになった。
表:第101回薬剤師国家試験大学別合格者数