男性骨粗鬆症を対象にしたBRIDGE試験で良好な成績
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社とアステラス製薬株式会社は3月22日、「Romosozumab」(一般名、開発コード:AMG785)の男性骨粗鬆症を対象とした第3相試験の結果を発表した。
同剤は、骨形成作用を持つモノクローナル抗体。タンパク質スクレロスチンの作用を阻害し、骨形成の促進と骨吸収の抑制という両方の効果を併せ持つ。現在治験中で、まだどの国においても承認は得られていない。
今回結果が発表された第3相試験であるBRIDGE試験において、計245名の男性患者を同剤210mg投与群、またはプラセボ投与群いずれかに2:1の割合で無作為に割り付け、月1回12か月間皮下投与した。その結果、男性骨粗鬆症患者の12か月後の腰椎の骨密度が、プラセボ投与群と比較して統計的に有意な増加を認め、主要評価項目を達成したことが示されたという。
計1万人を超える閉経後骨粗鬆症患者を対象とした第3相試験も
全体として有害事象および重篤な有害事象が報告された患者の割合に投与群間で差は認められず、最も多く報告された有害事象(romosozumab投与群で5%超)は、鼻咽頭炎、腰背部痛、高血圧、頭痛および便秘だった。
また、Romosozumab投与群の4.9%(163人中8人)およびプラセボ投与群の2.5%(81人中2人)で重篤な心血管系の有害事象と判定された症例が、Romosozumab 投与群の0.6%(163人中1人)およびプラセボ投与群の1.2%(81人中1人)で心血管死の有害事象と判定された症例があった。両社は7,180人の閉経後骨粗鬆症女性を対象としたFRAME試験の結果も2016年2月に発表している。FRAME試験では全体として、重篤な心血管系の有害事象の発現頻度において、治療投与群間で差は見られていないという。
これら試験の他にも現在、大規模グローバル第3相試験において、同剤が骨折リスクを低下させる可能性を検討する試験が行われている。この試験には、計1万人を超える閉経後骨粗鬆症患者を対象として、プラセボまたは実薬対照のいずれかと同剤を比較、骨折抑制効果を検討した2つの大規模試験が含まれている。
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・アステラス製薬株式会社 プレスリリース