ヒト化抗ヒトIL-6 レセプターモノクローナル抗体
中外製薬株式会社は3月17日、全身性強皮症を対象に開発中のヒト化抗ヒトIL-6 レセプターモノクローナル抗体「トシリズマブ」が、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受け、同日、通知を受領したことを発表した。
全身性強皮症は、皮膚が固くなる変化を主な症状とする疾患で、進行に伴って臓器障害を合併する。発症の原因は未だ十分に解明されておらず、厚労省から難病指定を受けている。現在は副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤による対症療法が行われているが、臨床症状全体を改善する治療法は確立していないため、より有効な治療法が求められている。
第3相臨床試験が進行中、FDAのBreakthrough Therapyにも指定
トシリズマブは、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体の分子標的治療薬。2005年に国内初の抗体医薬品として承認を取得している。同剤の全身性強皮症に対する開発は、ロシュ社と共同で行われている。2015年2月に実施された第2相臨床試験「faSScinate試験」の結果では、同剤の効果が既存薬を上回る可能性が示唆されたことを受け、米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬(Breakthrough Therapy)として指定されていた。現在は、プラセボを比較対照とした第3相臨床試験「focuSSced試験」が進行中である。
同社は、限られた治療法しかない全身性強皮症など難治性の慢性疾患において、同剤が新たな治療選択肢となるよう、早期に承認申請されることに期待していると述べている。
▼関連リンク
・中外製薬株式会社 ニュースリリース