■かかりつけが病薬連携促す
日本病院薬剤師会で医療保険を担当する川上純一常務理事は、薬事日報社のインタビューに応じ、2016年度診療報酬改定で新設された無菌製剤処理料1(180点)について「大きな意味がある」と強調。閉鎖式接続器具の使用を促し、対象薬剤も拡大。努力規定だった安全キャビネットの使用も義務となり、医療安全を重視する「相当にメッセージ性の高い改定」と語った。また、外来の喘息患者に吸入器具を用いた服薬指導をした場合の喘息治療管理料2の新設を「将来の薬剤師外来の評価につながる」とし、調剤報酬のかかりつけ薬剤師指導料にも言及。かかりつけが「病薬連携」を促進し、患者の入院前後のシームレスな薬物治療を管理できると評価し、「ぜひ薬局薬剤師に機能を発揮してほしい」と要請した。
16年度改定では、ICU等への薬剤師配置を評価する「病棟薬剤業務実施加算2」が新設された。当初、病棟加算の対象拡大が予想されたが、通常の病棟加算の週100点に上乗せする形で1日80点と手厚い評価となった。川上氏は「ICU病棟は病床数が10床前後と少ないが、高密度な薬学的ケアを提供しているため、病棟加算と別枠で1日80点の高い点数を上乗せする形になったことは良かった」とした。