米国皮膚病学会(ADD)の年次総会にて発表
スイスのノバルティス社は3月5日、中等症から重症の成人乾癬患者における実薬対照試験である「CLEAR試験」の最新データを発表した。この試験は、投与52週時での皮膚症状の改善(PASI 90反応率)の持続達成を指標に「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)とウステキヌマブ(遺伝子組換え)の比較結果を示したもの。これらの結果は、ワシントンDCで開催された米国皮膚病学会(AAD:American Academy of Dermatology)の年次総会で初めて発表された。
世界で約1億2500万人が罹患している乾癬は、慢性的な皮膚疾患。かゆみや痛みの原因となり、身体的・心理的な健康に重大な影響を及ぼすことがある。しかし、患者の半数近くが治療を受けておらず、治療を受けた患者でも、その半数は自身の治療に満足していないという調査結果があった。
コセンティクスは、中等症から重症の成人局面型乾癬の治療を適応として承認された初めてのヒト型インターロイキン-17A阻害薬。EUと米国において、乾癬性関節炎および強直性脊椎炎の治療への適応が承認されている。
PASI 90反応率の達成・持続における一貫した優越性
乾癬の治療において、治療奏功の重要な指標は、PASI(Psoriasis Area Severity Index)90反応率とされる。コセンティクスは投与4週、16週、52週での主要評価項目と副次評価項目すべてを達成。ウステキヌマブ(遺伝子組換え)に対して、PASI 90反応率(ほぼ寛解)の達成・持続における一貫した優越性(76.2% vs. 60.6%; P<0.0001)、52週時でのPASI 100反応率(寛解)の達成率(45.9% vs. 35.8%; P=0.0103)で、有意に優れていることを示しているという。
またコセンティクスは、皮膚疾患のQOL評価尺度(DLQI:Dermatology Life Quality Index)における0または1の回答率でも、ウステキヌマブ(遺伝子組換え)に対する有意な優越性および持続性を示したとしている(71.6% vs. 59.2%; P=0.0008)。
同試験では、コセンティクスを投与した患者の半数が4週時までにPASI75を達成効果発現の速さでも、ウステキヌマブ(遺伝子組換え)に対する優越性が示された(50.0% vs. 20.6%; P<0.0001)。また同試験で示されたコセンティクスの安全性プロファイルは、ウステキヌマブ(遺伝子組換え)と類似している点は、コセンティクスの主要な第3相試験での報告と一致するものであるという。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース