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TAVI用生体弁「エドワーズ サピエン3」の製造販売承認を取得-エドワーズ

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2016年03月18日 PM12:00

大動脈弁置換術が行えない患者に向けた、経カテーテル大動脈弁治療法

エドワーズライフサイエンス株式会社は3月11日、)に使用する生体弁「エドワーズ サピエン3」の製造販売承認を取得したと発表した。


画像はリリースより

大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症のひとつ。心臓の4つの弁のうち大動脈弁に動脈硬化と同様の変化が起きて固くなり、開きにくくなる病気。進行性の疾患で、重症になると胸痛や失神のほか、歩くことも困難なほど過度に疲れやすくなるなどの症状がある。症状が出てからの2年間で約半数の患者が亡くなるともいわれ、薬では根治しないため治療には硬化して機能しなくなった患者の大動脈弁を人工弁に置換する手術が必要だ。

現在、全世界で施行されているスタンダードな治療法は、長い歴史と安定した治療実績がある、開胸して行う大動脈弁置換術。一方で、高齢や心臓以外の疾患などの理由により、開胸手術には耐えられないと判断される患者は少なくとも30%はいると言われており、その患者らの治療は、薬で症状の進行を抑える対症療法しかなかった。

より細く折りたためる生体弁デザインで安全性向上

TAVIは2007年にヨーロッパで初めて臨床に導入された、重症の大動脈弁狭窄症の治療法。日本では2013年に登場し、胸を開かず、心臓も止めずに、これまで手術できなかった患者の治療が可能となった。TAVIではデリバリーシステムと呼ばれるカテーテルの上に、生体弁を折りたたんだ状態で装着し、それを患者の太腿の付け根の血管等から挿入。血管の中を通して心臓まで生体弁を運び、患者の機能しなくなった大動脈弁の上で、生体弁をバルーンで押し広げ、留置する。TAVIにおいては、いかに生体弁を細くたたみ、血管を通すカテーテル全体をより細くできるかが課題であった。

今回のサピエン3では、生体弁のデザインを進化させることで、必要となる患者の血管径を、従来製品の6.0mm以上から5.5mm以上とすることに成功。これまでよりも血管が細い患者の治療が可能になった。加えて、医師がより安全に、患者の血管内にカテーテルを通す操作を行うことが可能となる。

また、従来製品では患者の機能しなくなった大動脈弁の位置でバルーンを膨らませて生体弁を広げる際、医師が熟練した技術により正確に留置することで、生体弁周囲からの血流の漏れを防いでいたが、サピエン3では、生体弁の周囲にスカートがついたデザインに変更。生体弁を弁輪にフィットさせることが可能となり、血流の漏れを防げるようになった。これにより、医師はより安全に、かつ簡便に生体弁の留置ができるようになったという。

なお、サピエン3は、5月を目途に保険償還を経て、必要なトレーニングを修了した医療機関に向けて販売を開始。2016年中には既存のすべてのTAVI実施施設にて使用開始できる予定だとしている。

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