欧州での承認へ向けた最初の薬事的段階に
日本イーライリリー株式会社は3月8日、米イーライリリーが欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から、成人の中等症から重症の尋常性乾癬の治療におけるイキセキズマブの使用について、承認勧告を取得したことを発表した。
イキセキズマブは、サイトカインであるインターロイキン17A(IL-17A)に特異的に結合し、IL-17 受容体との相互作用を阻止する IgG4 モノクロナール抗体。今回の承認勧告は、欧州での同剤承認へ向けた最初の薬事的段階となる。現在、CHMPの肯定的な見解は最終決定のためにEUにおける医薬品の承認を行う欧州委員会へ回付されている段階で、通常、欧州委員会はCHMPが承認勧告を行ってから2~3か月以内に製造販売承認を判断する。
CHMPのイキセキズマブへの肯定的見解は、これまで規制当局が評価した中等症から重症の尋常性乾癬を対象とした最大規模の第3相臨床試験の結果に基づくもの。この臨床試験プログラムは、3本の第3相多施設共同二重盲検比較試験、UNCOVER-1、UNCOVER-2、UNCOVER-3で構成され、世界21か国の3,800名以上の中等症から重症の尋常性乾癬患者を対象として、イキセキズマブの安全性および有効性を評価している。
乾癬患者の約20%が中等症から重症の尋常性乾癬
3試験では、イキセキズマブ(初期投与量160mgを投与後、2週間ごとあるいは4週間ごとに80mgを投与)の安全性および有効性を12週目にプラセボと比較評価。UNCOVER-2、UNCOVER-3では、エタネルセプト(50mgを週2回)を12週間にわたって投与した対照群も含んでいる。
これらの臨床試験では、12週時点の複数の主要有効性評価項目は、PASI(Psoriasis Area Severity Index)75、sPGA(static Physician’s Global Assessment)0または1を達成することを掲げ、それぞれ3試験で安全性、有効性の評価を60週まで続けた。
乾癬は皮膚に現れる慢性の自己免疫疾患。全世界での乾癬の罹患者は約1億2500万人でそのうち約20%の患者が中等症から重症の尋常性乾癬と言われている。
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・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース