軟骨無形成症用途特許の独占的実施権をBioMarin社へ
中外製薬株式会社は3月3日、米国・BioMarin Pharmaceutical Inc.と保有するC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の軟骨無形成症用途特許の日本および米国等における独占的実施権をサブライセンスする契約を締結したと発表した。
中外製薬は、CNP用途特許の独占的実施権を取得し、軟骨無形成症治療薬の研究開発に着手して製品化を目指していたが、開発が計画より遅れている状況を考慮し、自社での研究開発を中断。今回、BioMarin社と協議し、CNP誘導体であるvosoritide(BMN-111)を新しい治療薬としてより早期の製品化を目指し、中外製薬が保有するCNP用途特許の独占的実施権をBioMarin社へサブライセンスすることを決定したという。
軟骨無形症児を対象にした第2相臨床試験を実施中
現在、BioMarin社は、vosoritideについて、欧米と豪州にて軟骨無形成症児を対象とした第2相臨床試験を実施している。同試験の中間解析では、vosoritideの一日1回皮下投与の安全性および有効性について良好な結果が得られているという。現在、投与量を増加した4つ目の投与群を追加、第2相臨床試験を継続しており、その他にも主要な第3相臨床試験ならびに、5歳未満の幼児を対象とした新たな試験を計画中。
CNPは、日本国内で発見された内在性のペプチド。骨の成長を司る軟骨の成長を抑制する繊維芽細胞増殖因子受容体-3の作用を阻害することにより骨の成長を促進する作用を有し、全身の骨の成長が低下する指定難病「軟骨無形成症」の患者の治療に役立つことが期待されている。
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・中外製薬株式会社 プレスリリース