化血研の不正行為に対し、厚労省は1月8日に医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき110日間の業務停止命令を出した。これを受け、製造販売業者、製造業者におけるGQP、GMP省令の遵守状況について計画的な監視指導を行うと共に、不正行為の防止、発見等の観点から、特に承認書と実際の作業との整合性について、直接の証拠に基づき検査を実施するよう各都道府県に通知している。
須田氏は「特に組織的な隠蔽を防止する観点から、ぜひ積極的に無通告、抜き打ちでの立入検査に取り組んでいただくようお願いしたい」と要請。具体的には、通常調査の中でメーカーや製造業者が想定していない部分を抜き打ちで確認するなどの工夫を提示し、工夫を凝らした立入検査や調査の実施を促した。
また最近、複数の事業者が関係する違反事例、複数の都道府県にまたがって無通告の同時立入検査をしなければいけない対応が必要なケースも見受けられると指摘。「そうした事例にも適宜、関係者で連携をとっていただき、取り組んでもらうようお願いしたい」と述べた。
一方、「ディオバン」事件に端を発した医療用医薬品の広告監視について、「違反広告の端緒を幅広く把握することに取り組んでいかなければいけない」と強調。厚生労働科学研究班で提言された医療従事者による広告監視モニター制度の構築について、来年度予算の新規事業として取り組んでいく方針を示した。
医療用医薬品を対象に、医療現場の医師、薬剤師にメーカーの販促活動を監視してもらい、その情報を直接厚労省が収集していく広告監視モニター事業を実施することにより、広告監視を図るというもので、須田氏は「都道府県においては、この制度の効果的な運用にぜひ協力いただきたい。特に広告監視モニター事業の中で違反業者が見つかった場合には、違反業者への行政指導に積極的にご協力いただきたい」と求めた。