文部科学省の「薬学実務実習に関する連絡会議」は2月29日、昨年2月に策定した「実務実習に関するガイドライン」の実現に向けた各団体の取り組み状況などを踏まえ、意見交換した。
薬学教育協議会や日本病院薬剤師会がそれぞれ実施したアンケート調査の結果を踏まえ、薬局実習を1期、2期、3期、病院実習を2期、3期、4期に実施し、薬局で修得しきれなかった実習を病院でフォローすることを提案したが、特に異論は出なかった。
2019年度から開始する新たな実務実習では、病院と薬局で行われる実習に連続性を持たせるため、実習の枠組みを現行の3期制から4期制に変更し、2月下旬~5月上旬(第1期)、5月下旬~8月上旬(第2期)、9~11月中旬(第3期)、12~2月下旬(第4期)といったように、四つの期に日程を分ける方向性が示されている。
また、実務実習GLでは、新コアカリが全ての実習生が標準的に広く学ぶ「代表的な疾患」として、癌、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患といった5疾病および、高血圧症、免疫・アレルギー疾患、感染症を加えた8疾患を提示している。
会議では、薬学教育協議会が全国8地区の薬局、病院を対象に行ったアンケート調査の結果を報告。薬局においては、癌に関する実習を実施できる施設が最も少なかったことに加え、癌を実施できる施設は他の疾患も実施できる可能性が高かったことから、代表的な8疾患を効果的に実施するためには、薬局実習を行った後に、足りない部分をフォローする形で病院実習に移ることが望ましいとの結果をまとめた。
日病薬も会員施設に行ったアンケート調査の結果を踏まえ、病院実習を2期、3期、4期に行い、「薬局→病院」の順番とすることを決定したと報告した。