リリカ、トビエースなど主力製品が伸長
ファイザー日本法人は、2015年度(2014年12月1日~2015年11月30日)の業績を発表。売上高は5114億円で対前年同期比2%の増収となった。同社によると、リリカ、トビエース、プレベナー13(成人)、スーテント、ブイフェンドなどの主力製品の売上が伸長したことに加え、フィナステリドなどの同社ブランドによる後発医薬品が堅調に推移したとしている。
ファイザー日本法人の代表取締役社長 梅田一郎氏
同社が2015年度に承認取得もしくは発売した品目は、新規有効成分である慢性骨髄性白血病治療薬「ボシュリフ」、抗うつ薬「イフェクサーSR」などを含む8品目。
2016年度について、同社では適応追加なども含め4品目以上の承認を目指し、製品ポートフォリオの価値の最適化を図るほか、独占権喪失前後の製品での新剤形や適応追加、後発医薬品ビジネスの更なる加速を取り組み課題として挙げた。また、ホスピーラ・ジャパンとの統合準備を進めるとして、マーケティングや営業等ホスピーラ社員が同社に出向。業務を開始した前年度に引き続き、バイオシミラー製品群のパイプラインの拡大を見込んでいる。一方、グローバルで進められているアラガン社との統合準備については、「日本法人の決定事項はまだない」(梅田一郎社長)とした。
梅田社長「実勢価に基づかない薬価削減は画期的新薬を創出しない」
都内で開催された記者会見で、梅田社長は「個人の考え」と前置きした上で、「医療費のコントロールにはビジョンが必要。コスト意識だけでなく成長分野の柱になるように、国民的な議論が必要。市場実勢価に基づかない薬価削減は画期的新薬を創出しない」として、市場拡大再算定などの動きを牽制した。
また、同社は、地域包括ケアシステムに向けた取り組みとして、2020年に向けた新たな顧客アプローチと必要な組織を構築するプロジェクト「Customer Facing 2020 Project」の開始を発表した。「このプロジェクトがすぐにMR数などの営業組織に反映することはないが、5年後10年後を見据えた議論はしている」(梅田社長)
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