閉経後骨粗鬆症女性を対象として
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社とアステラス製薬株式会社は2月23日、Romosozumab(一般名)の第3相臨床試験であるFRAME試験の主な結果を発表した。それによると、Romosozumabを投与された閉経後骨粗鬆症女性において、12か月および24か月の新規椎体骨折発生率がともに低下したことにより、主要評価項目をすべて達成、副次的評価項目である12か月の臨床骨折発生率(臨床椎体骨折および非椎体骨折の合計)も低下した。しかし、副次的評価項目の非椎体骨折発生率は、12か月、24か月ともに、有意な低下は認められなかった。
Romosozumabは、現在治験中の骨形成作用を持つモノクローナル抗体。タンパク質スクレロスチンの作用を阻害し、骨形成の増加と骨吸収の減少という両方の効果を併せ持つ。日本では、両社が共同開発している。FRAME試験は、Romosozumabの閉経後骨粗鬆症女性に対する有効性と安全性を評価するための第3相多施設共同国際共同無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験。
FRAME試験では、Romosozumabの月1回の皮下投与により投与開始12か月後の新規椎体骨折発生のプラセボに対する相対リスクが統計学的に有意に73%低下したことが示された。この効果は両群が2年目にデノスマブ投与に移行してからも持続。Romosozumab投与に続けてデノスマブを投与した群は、プラセボに続けてデノスマブを投与した群に対して24か月の新規椎体骨折発生率の相対リスクを統計学的に有意に75%低下させた。加えて、Romosozumab投与群の投与開始12か月後の臨床骨折発生率は、プラセボ群に比べて統計学的に有意に36%低下したとしている。
FRAME試験のさらなる解析進行中、論文への投稿予定も
また、12か月間の二重盲検期間および24か月の試験期間において、有害事象ならびに重篤な有害事象の発現率に投与群間で差は認められなかった。最初の12か月間で、いずれの群でも、最も報告の多かった有害事象(10%超)は、関節痛、鼻咽頭炎、腰背部痛。12か月間でRomosozumab群の5.2%およびプラセボ群の2.9%に注射部位反応の報告があった。注射部位反応の多くは軽度だった。
難聴および変形性膝関節症の悪化を評価するために実施したサブスタディでは、投与群間に差はなかった。Romosozumab投与期間終了後およびRomosozumab投与期間を終了しデノスマブの初回投与後に、各々1例ずつの顎骨壊死と判定された症例があった。また、Romosozumab投与開始3か月後に非定型大腿骨骨幹部骨折と判定された症例が1例あった。
現在、同試験のさらに詳細な解析が進行中で、今後、学会や論文への投稿が行われる予定だとしている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース