PD-L1陽性の切除不能または転移性の膀胱がん治療薬として
アストラゼネカ株式会社は2月22日、英国本社のグローバルバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンと開発中の「durvalumab」(MEDI4736)について、FDAより、プラチナ製剤をベースとする標準化学療法による治療中あるいは治療後に病勢が進行したPD-L1陽性の切除不能または転移性の膀胱がんの治療薬として、画期的治療薬の指定を受けたと発表した。
同剤は、プログラム細胞死リガンド-1(PD-L1)に対するヒトモノクローナル抗体。腫瘍はPD-L1を発現し、殺細胞性Tリンパ球のPD-1に結合することで、自らが免疫システムにより探知されるのを回避するが、同剤はPD-1とのPD-L1の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないよう作用する。
また、他の免疫治療薬と並行して、患者の免疫システムを活性化し、がんを攻撃するように開発されており、同剤は単剤療法もしくはtremelimumabとの併用療法について、非小細胞肺がん、頭頸部がん、膀胱がん、胃がん、膵臓がん、肝細胞がんおよび血液がんを対象とした広範な臨床試験プログラムで検討されている。
膀胱がんの一次治療を対象とした第3相試験で併用療法を検討中
今回の指定は、プラチナ製剤をベースとする標準化学療法による治療中あるいは治療後に病勢が進行した進行転移膀胱がん患者を対象とする第1相試験(Study 1108)の早期臨床データに基づいたもの。同社のオンコロジー領域において、3度目の画期的治療薬指定となる。第1相試験のデータは、今後の学会発表に向けて演題を提出済み。
同剤は、2015年第四半期に最初の患者登録をした膀胱がんの一次治療を対象とした第3相臨床試験であるDANUBE試験の中で、単剤療法だけでなくtremelimumabとの併用療法においても検討されている。
なお、画期的治療薬は、重篤な症状を改善し、早期実用化が望まれている新薬の開発を加速することを目的に、その薬剤が既存治療をはるかに上回る治療結果を示す、もしくは、大きなアンメットメディカルニーズが存在する領域の薬剤である場合、指定を受ける。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース