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高齢者の排泄状況を医療機関と共有するスマートデバイス開発-北大

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2016年02月18日 PM02:00

排泄の悩み抱える高齢者30%超、QOLへの重大な影響が問題に

北海道大学は2月16日、高齢者の排泄に関する問題を解決するため、自宅のトイレに簡単に設置でき、携帯電話インフラとクラウドサービスにより排泄の状況を医療機関と共有するスマートデバイス「」を開発したと発表した。この研究は、同大学大学院医学研究科腎泌尿器外科学分野の篠原信雄教授と同大学大学院情報科学研究科情報メディア環境学研究室の山本強教授の共同研究によるもの。


画像はリリースより

同大学によると、日本では、急速な高齢化を迎える中、頻尿や慢性の便秘などの排泄の悩みを抱える高齢者が30%を超え、QOLに重大な影響を及ぼしていることが問題視されている。日常生活の中でも排泄は特に、個人の尊厳に関わる重要な機能だが、医療・介護分野の対応は決して先進的ではなく、その理由のひとつとして、患者自身から家族やかかりつけ医に排泄の悩みを相談しづらいことが挙げられる。また、自己記入型の排泄記録においては付け忘れなどが問題となっており、適切な治療を進めるうえで信頼性が担保できていない現状にあるとしている。

迅速かつ適切な治療に貢献、家族の介護の助けにも

同デバイスは、「着脱可能なタッチパネル式、トイレに設置しても邪魔にならない設計」「人感センサーによりトイレ入退室時の検出」「プライバシーを守りながら排尿・排便時の生活音を記録」「タッチパネル操作で利用者と便形状を選択」「得られたデータをリアルタイムでアップロードし、かかりつけ医にデータを自動送信」といった特徴を持つ。

共同研究グループでは、同デバイスの開発により、患者は医師に排泄の悩みを切り出す必要はなく、地域のかかりつけ医も逐次、専門医に相談が可能になるため、迅速かつ適切な治療が行えるとしている。患者の家族も容易に排泄の状況を確認できるため、介護の助けにもなることも期待される。

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