医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 【日病薬】10年ぶりの会長選-木平氏「会員との対話」、佐藤氏「経験、人脈」

【日病薬】10年ぶりの会長選-木平氏「会員との対話」、佐藤氏「経験、人脈」

読了時間:約 2分13秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年02月15日 AM11:00

日本病院薬剤師会が今月27日の臨時総会で実施する会長候補選に立候補した木平健治、佐藤博両副会長が10日に共同会見し、抱負と決意を語った。木平氏は、「会員との対話」を通して、「病院薬剤師が夢とプライドを持って働ける環境作りを組織として進めたい」と述べ、佐藤氏は、厚生労働省の審議会委員や関連学会の理事などで培った「経験と勘、人脈」を通して、「国民からも医療人からも一層信頼されるよう、病院薬剤師の地位向上に全力で取り組む」と語った。日病薬の会長選は、伊賀立二・元会長と藤上雅子氏が立候補した2006年以来、10年ぶりとなる。

左から木平氏、佐藤氏

木平氏は、12年度診療報酬改定で「病棟薬剤業務実施加算」が初めて導入されたことに加え、16年度改定でも手術室や集中治療室などでの薬剤管理を評価する「病棟薬剤業務実施加算2」が新設されるなど、「病院薬剤師にとっては良い風が吹いている時期」との認識を示しつつも、「会務運営については課題が山積している」と指摘。

自らのアピールポイントを「会員一人ひとりの声を聞くこと」とし、広く会員の意見を取り入れながら会務運営を進める姿勢を強調した。

その上で、「薬剤師がいたから医療が変わった。薬物療法が安心・安全で効果的・効率的になった」という評価が得られるようにしたいとの抱負を語った。

佐藤氏は、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になり、医療費が膨らむ“2025年問題”に向けて、「病院薬剤師が持っている高い専門性に加え、よりチーム医療の部分について、薬剤師が持つ能力を遺憾なく発揮するための基盤作りが求められている」と強調した。

日病薬の社会保険部長として診療報酬を担当し、多くの病院薬剤師に関連する技術評価の点数新設に関わってきた実績や、厚労省の社会保障審議会医療分科会の委員、日本ジェネリック医薬品学会の副代表理事などを経験して人脈を培ったことに触れ、実績と人脈が「これからの会務運営に使えるのではないか」とアピールした。

その上で、「病院薬剤師が国民、医療人からも信頼され、自信を持って働けるようにしたい」との抱負を語った。

日病薬の執行部のメンバーが国立大学病院の薬剤部長に偏っているのではとの指摘がある中、会長当選後の執行部体制については、木平氏が「副会長、監事と相談し、指摘されている点も配慮した役員構成にしたい」との考えを示し、具体的には、「各都道府県会長、病院団体に問い合わせを行い、役員に有能な人材を幅広く求めたい」と述べた。

佐藤氏は、男女の比率や年齢幅、専門性の多様性を確保する上でも「バランス良く配置するのが理想」としながらも、「組織がなすべき業務を的確に遂行し、与えられた職務に対する結果責任を果たすためには、まず適材適所の人選が先にあるべき」と主張。また、「流れの中でトップマネジメントが必要なら、最終的にはそうした提言をしてもいいのでは」と述べた。

27日の役員候補選挙では、副会長候補も選出する。5人の定数に対して、現副会長の松原和夫(京都大学病院)と土屋文人、現常務理事の川上純一(浜松医科大学病院)と佐々木均(長崎大学病院)、現理事の賀勢泰子(鳴門山上病院)と林昌洋(虎の門病院)の6氏が立候補届を提出している。

日病薬が選挙で会長と副会長を同時に選出するのは初めて。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【政府答弁書】4年制回帰「考えてない」-薬学6年制への疑義に回答
  • 【立憲、国民両党】中間年改定廃止法案提出-診療報酬改定を法で規定
  • 【厚労省】電子処方箋設定を一斉点検-紐付けの誤り7件報告で
  • 【PMDA】コロナ薬投与で注意喚起-妊娠可能性ある女性に
  • 【薬価部会】不採算品再算定、対象絞り込みを-25年度中間年改定