木平氏は、12年度診療報酬改定で「病棟薬剤業務実施加算」が初めて導入されたことに加え、16年度改定でも手術室や集中治療室などでの薬剤管理を評価する「病棟薬剤業務実施加算2」が新設されるなど、「病院薬剤師にとっては良い風が吹いている時期」との認識を示しつつも、「会務運営については課題が山積している」と指摘。
自らのアピールポイントを「会員一人ひとりの声を聞くこと」とし、広く会員の意見を取り入れながら会務運営を進める姿勢を強調した。
その上で、「薬剤師がいたから医療が変わった。薬物療法が安心・安全で効果的・効率的になった」という評価が得られるようにしたいとの抱負を語った。
佐藤氏は、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になり、医療費が膨らむ“2025年問題”に向けて、「病院薬剤師が持っている高い専門性に加え、よりチーム医療の部分について、薬剤師が持つ能力を遺憾なく発揮するための基盤作りが求められている」と強調した。
日病薬の社会保険部長として診療報酬を担当し、多くの病院薬剤師に関連する技術評価の点数新設に関わってきた実績や、厚労省の社会保障審議会医療分科会の委員、日本ジェネリック医薬品学会の副代表理事などを経験して人脈を培ったことに触れ、実績と人脈が「これからの会務運営に使えるのではないか」とアピールした。
その上で、「病院薬剤師が国民、医療人からも信頼され、自信を持って働けるようにしたい」との抱負を語った。
日病薬の執行部のメンバーが国立大学病院の薬剤部長に偏っているのではとの指摘がある中、会長当選後の執行部体制については、木平氏が「副会長、監事と相談し、指摘されている点も配慮した役員構成にしたい」との考えを示し、具体的には、「各都道府県会長、病院団体に問い合わせを行い、役員に有能な人材を幅広く求めたい」と述べた。
佐藤氏は、男女の比率や年齢幅、専門性の多様性を確保する上でも「バランス良く配置するのが理想」としながらも、「組織がなすべき業務を的確に遂行し、与えられた職務に対する結果責任を果たすためには、まず適材適所の人選が先にあるべき」と主張。また、「流れの中でトップマネジメントが必要なら、最終的にはそうした提言をしてもいいのでは」と述べた。
27日の役員候補選挙では、副会長候補も選出する。5人の定数に対して、現副会長の松原和夫(京都大学病院)と土屋文人、現常務理事の川上純一(浜松医科大学病院)と佐々木均(長崎大学病院)、現理事の賀勢泰子(鳴門山上病院)と林昌洋(虎の門病院)の6氏が立候補届を提出している。
日病薬が選挙で会長と副会長を同時に選出するのは初めて。