FDAへの生物学的製剤承認申請完了
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社は2月4日、第Xa因子阻害剤に対する中和剤として開発中の「andexanet alfa」について、日本で開発・販売する提携契約をPortola Pharmaceuticals社と締結したことを発表した。
この契約は、米国および欧州での同剤に関する既存の臨床開発協力関係に基づくもの。2015年12月、Portola社は同剤について、FDAへの生物学的製剤承認申請(BLA)を完了し、申請受理を待っているという。FDAは、迅速承認プロセスに基づき、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)の期日を2016年8月17日に設定した。Portola社では、2017年にEUで申請を行う予定。
Portola社は契約の条件に基づき、1500万ドルの前払金を受け取るとともに、今後の薬事的マイルストーンで2000万ドル、売上高に基づくマイルストーンで7000万ドル、および同剤の純売上高に基づく報酬を受け取ることになる。ブリストルとファイザーの両社は共同出資し、日本における同剤の開発・販売を行う予定。Portola社は、これまでどおり日本以外での同剤の権利を保有し、製造供給に責任を負うこととなる。
第Xa因子阻害剤服用中の患者に役立つことに期待
同剤は、「エリキュース(R)」(一般名:アピキサバン)を含む、第Xa因子阻害剤の中和剤。現在は、米国および欧州で第3相臨床開発段階にある。修飾されたヒト第Xa因子分子であり、血中で、経口剤および注射で投与された第Xa因子阻害剤を特異的に標的とし補足するデコイとして作用する。いったん結合すると、第Xa因子阻害剤は第Xa因子に結合して阻害することができなくなり、通常の止血プロセスが回復する。
エリキュースは、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中と全身性塞栓症の発症抑制を適応として、日本を含めた地域または国で承認。日本では、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制を適応として承認されている。
andexanet alfaが、大出血および緊急手術が必要な一部のエリキュースおよび他の第Xa因子阻害剤服用中の患者に役立つことが期待される。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース