■厚科審部会で了承
厚生科学審議会の予防接種基本方針部会は5日、B型肝炎ワクチンについて10月から定期接種化することを了承した。4月以降に生まれた1歳未満の乳児を対象に原則3回接種する。定期接種化に向け、予防接種法の政省令改正を行う。一般への意見募集を行い、自治体の準備期間、国民への周知期間を踏まえて公布する予定。
B型肝炎ワクチンの定期接種化は、2012年に同部会が示した「予防接種制度の見直し(第2次提言)」において広く接種を促進すべきワクチンに指定され、13年の予防接種法の改正案に対する附帯決議でも結論を得ることが求められており、昨年1月に予防接種分科会で技術的な検討結果がまとめられた。
これを踏まえ、厚労省は、この日の部会で10月からB型肝炎ワクチンを定期接種化することを提案、了承された。
B型肝炎の予防接種法における分類をA類疾病と位置づけたほか、母子感染予防の観点から、HBs抗原陽性の妊婦から生まれた乳児で、保険給付により抗HBs人免疫グロブリンを併用してB型肝炎ワクチンの投与を受けた場合、定期接種の対象外とすることとした。
また、長期の療養により定期接種が受けられなかった場合、その事情が解消された後2年以内に定期接種が受けられる長期療養特例ついては、接種の対象年齢の上限を設けず、10歳以上への接種量を0.5mLとした。
10月の定期接種化以前に、定期接種の規定に相当する方法でB型肝炎ワクチンの接種を受けた場合は、定期接種を受けたと見なすこととした。
さらに、定期接種の対象者については、今年4月以降に生まれた乳児とすることで了承された。ただ、B型肝炎ワクチンは、1歳未満の乳児に対して、標準的に生後2カ月から1歳までに原則3回接種することが求められるが、委員から、かぜをひいて接種を受けられなかった場合等の対応を求める意見が出たため、部会ではこの点について10月の定期接種化までに結論を出すこととした。
今後、厚労省は、予防接種法における政省令にB型肝炎ワクチンの定期接種化に関する規定を盛り込む改正を行い、公布する予定。