先天性巨大色素性母斑への適応拡大で
富士フイルムグループの株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J‐TEC)は2月2日、重症熱傷の治療に使用されている再生医療等製品「自家培養表皮ジェイス(R)」の適応拡大に向け、先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした、ジェイスの一部変更承認申請を厚生労働省へ提出したと発表した。
画像はリリースより
同製品は、2007年に重症熱傷を適応対象として製造販売承認された国内初の再生医療等製品。同社は、先天性巨大色素性母斑への適応拡大を目指し、2012年から国立成育医療研究センターなどで実施されていた医師主導治験を企業主導治験として引き継ぎ、2015年9月にその治験を終了した。
少量の組織採取で広範囲の治療が可能、患者の負担軽減に
同製品による先天性巨大色素性母斑の治療では、患者自身の皮膚組織を培養することで製造したジェイスを、患者の母斑切除部に移植する。少量の組織採取から広範囲の治療が可能で、患者の負担を軽減することができると考えられている。
同製品は、2014年11月に先天性巨大色素性母斑の治療を目的として、試験研究費に対する助成金の交付、優先的な治験相談および優先審査の実施、再審査期間の延長などの優遇措置が受けられる希少疾病用再生医療等製品に指定されている。
なお、希少疾病用再生医療等製品の指定には、該再生医療等製品の用途に係る対象患者数が国内で5万人未満であること、代替する適切な治療法がない、既存の治療法と比較して著しく高い有効性または安全性が期待されるなどの医療上特に優れた使用価値を有することが必要とされている。