網膜変性に至る機序、いまだ解明されず
アステラス製薬株式会社は2月1日、遺伝子治療薬「AAV-mVChR1」(アデノ随伴ウイルス-改変型ボルボックスチャネルロドプシン1)について、網膜色素変性症を適応疾患とした全世界における開発・商業化のライセンス契約を、クリノ株式会社との間に締結したと発表した。
画像はリリースより
網膜色素変性症は、進行性の夜盲、視野狭窄、視力低下を主徴とし、やがて色覚の喪失、失明に至る、遺伝子変異に起因する網膜変性疾患。網膜変性に至る機序については、いまだ十分に解明されておらず、臨床的に明確な効果を示す治療法は確立されていない。
網膜色素変性症患者の視覚回復に期待
改変型VChR1は、岩手大学工学部の冨田浩史教授らが創製した新規タンパク質。緑藻類が持つチャネルロドプシンを改変した光受容イオンチャネルで、幅広い波長の光に反応するのが特徴となっている。網膜色素変性症モデルラットに、AAV-mVChR1を投与すると、改変型VChR1が網膜神経節細胞に発現し光感知能が回復することが分かっており、AAV-mVChR1は網膜色素変性症患者の視覚を回復させることが期待されている。
アステラス製薬は、AAV-mVChR1の開発を通じて、アンメットニーズが高い眼科疾患に対する革新的な治療を提供し、患者へ一層の貢献ができるものと期待していると述べている。クリノは、東北発の革新的技術で、一日も早く患者の視覚回復に貢献できるようにアステラス製薬と開発に邁進したいとしている。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース