潜在患者や治療継続を断念する患者多く
帝人ファーマ株式会社は、全国の医療機関に向けて最新型の睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療装置「スリープメイト(R)10」のレンタルを2月1日から開始した。
画像はリリースより
SASは、睡眠中に呼吸停止を繰り返す病気。激しいイビキや日中の眠気などの症状があり、交通事故や労働災害、生産性低下などにつながる社会的影響の大きな疾患であることに加え、呼吸停止に伴う低酸素状態が原因となって高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などを合併し、死亡率が高まることも報告されている。
国内におけるSAS患者数は年10%以上の増加を続けており、現在の顕在患者数は約30万人と推定。一方、潜在患者は人口の約2~3%(約300万人)存在するとされており、その顕在化が社会的な課題となっている。
睡眠中の覚醒を低減、より快適な治療の継続サポート
SASの治療方法としては、鼻マスクから気道に空気を送ることにより無呼吸・低呼吸を防ぐCPAP治療が最も普及しているが、気道に空気を送る際にかかる圧力やマスクの着用など、治療に伴う不快感が原因で治療継続を断念するケースもあり、治療継続率の向上がCPAP治療の課題とされている。
こうした背景から、同社では、CPAP治療を受ける患者により快適な治療環境を提供し、治療を継続しやすくするため、「眠れる・続けられるCPAP治療」をコンセプトとする新しいCPAP装置「スリープメイト10」をラインナップに加えたとしている。
同社によると、スリープメイト10は、圧力の上昇や変動を穏やかにする2つの新しいアルゴリズムを搭載。そのため、圧力変動による睡眠中の覚醒を低減でき、より快適な治療の継続をサポートする。また、口呼吸や鼻症状のある患者の治療継続率が高まるとされている加温加湿機能を本体に搭載した。機器の稼働状況をはじめとする様々なデータを3G通信でサーバーに自動送信・解析し、医療機関におけるデータを活用した患者指導を容易にするシステム「ネムリンク(R)」にも対応している。
医療機関へのSAS治療装置レンタル事業のリーディングカンパニーである同社は、今回の同装置のレンタル開始を契機として、患者のさらなるQOL向上に貢献していきたいとしている。
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