強直性脊椎炎と乾癬性関節炎の効能・効果で
ノバルティス ファーマ株式会社は1月28日、「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)について、成人における強直性脊椎炎(AS)および乾癬性関節炎(PsA)の新たな2つの効能・効果を米国食品医薬品局(FDA)から承認されたと発表した。
コセンティクスは、インターロイキン-17A(IL-17A)阻害薬と呼ばれる新規のクラスとしては初めての薬剤であり、ASとPsAの両方の治療に用いられる。今回のFDAによる2つの効能・効果の追加承認は、2015年1月のFDAによる成人患者における中等症から重症の局面型乾癬の治療に対する承認、2015年11月の欧州でのASおよびPsAに対する承認に続くものとなる。
ASとPsAは、いずれも生涯にわたる痛みを伴う消耗性の炎症性疾患で、関節、脊椎またはこの両方が侵される。効果的な治療を施さないと、長年にわたる炎症により関節や脊椎の不可逆的な損傷を招くおそれがあるとされる。
成人患者1500人超参加の臨床治験結果に基づくもの
米国では、人口の約0.5%がAS、約1%がPsAを患っていると推定されており、効果的な治療を施さないと、これらの疾患は脊椎および関節の不可逆的な損傷を招き、生涯にわたる痛みと身体障害を引き起こし、単純な日常の作業にさえ悪影響を及ぼすおそれがあることから、新薬に対する高いアンメットニーズがあった。現在では、患者の多くが既存の治療に不満を持っており、約40%の患者は抗腫瘍壊死因子-α(抗-TNF)療法で十分な効果が得られていないとしている。
同社によると、今回の承認は、生物学的製剤による治療を受けたことがない、もしくは抗-TNF療法で十分な効果が得られないか忍容性のない1,500人を超えるASまたはPsAの成人患者が参加した4つのプラセボ対照第3相臨床治験の有効性と安全性の結果に基づいている。これらの試験で同剤はそれぞれ、国際脊椎関節炎評価学会基準で16週目に20%以上の改善、米国リウマチ学会による改善基準で24週目に20%の改善で評価されるASおよびPsAの徴候と症状について、プラセボと比較して統計学的に有意な改善を示し主要評価項目を達成した。
なお、日本では、214年12月に既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬の治療薬として承認され、2015年2月27日に発売された。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース