BRAF変異の有無にかかわらず、切除不能または転移性悪性黒色腫で
米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ社は1月23日、「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)と「ヤーボイ」(一般名:イピリムマブ)の併用療法について、BRAF V600野生型およびBRAF V600変異陽性の切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から承認を得たことを発表した。
オプジーボとヤーボイは、別々の、相補的なチェックポイント経路(PD-1とCTLA-4)を標的とする免疫チェックポイント阻害薬で、作用機序は、2つの免疫チェックポイントを阻害して、抗腫瘍活性を増強させる。ヤーボイのCTLA-4阻害はT細胞の活性化と増殖を促進させ、一方、オプジーボはがんに対するT細胞の反応を回復させる。
今回の適応は、無増悪生存期間(PFS)に基づき、迅速審査により承認された。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明することで、PFSと全生存期間(OS)を主要評価項目である第3相CheckMate-067試験のデータに基づく今回の承認により、BRAF V600野生型の切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の当初の適応が拡大され、BRAF変異状態が問われなくなったとしている。
ヤーボイ単剤と比較し、有意に優れた無増悪生存期間示す
CheckMate-067試験は、未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法をヤーボイ単剤療法と比較評価した第3相無作為化二重盲検臨床試験。
その結果によると、ヤーボイ単剤療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群(p<0.0001)およびオプジーボ単剤療法群(p<0.0001)でPFSの統計的に有意な改善が示された。PFSの中央値は、併用療法群で11.5か月(95%信頼区間:8.9-16.7)、オプジーボ単剤療法群で6.9か月(95%信頼区間:4.3-9.5)、ヤーボイ単剤療法群で2.9か月(95%信頼区間:2.8-3.4)。ヤーボイ単剤療法群と比較した病勢進行リスクの低下は、併用療法群で58%(ハザード比:0.42、95%信頼区間:0.34-0.51、p<0.0001)、オプジーボ単剤療法群で43%(ハザード比:0.57、95%信頼区間:0.47-0.69、p<0.0001)だった。
また、FDAは、迅速承認に基づき、オプジーボ単剤療法の適応も拡大し、未治療のBRAF変異陽性の進行期悪性黒色腫患者も対象に含めた。BRAF V600変異陽性の切除不能または転移性悪性黒色腫患者に対するオプジーボ単剤療法の使用は、PFSに基づき、迅速承認された。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明すること。同社は、オプジーボとしてわずか1年間で7件目、進行期の悪性黒色腫では4件目となる承認を取得し、より多くのがん患者ががん免疫療法を受けることができるようになったとしている。
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・ブリストル・マイヤーズ株式会社 プレスリリース