生出副会長「自由闊達な議論ができる執行部に」
日本薬剤師会の生出泉太郎副会長(宮城)は1月24日、盛岡市で開催された東北六県薬剤師会会長・日本薬剤師会代議員合同会議の席上で3月13日に実施予定の日本薬剤師会会長候補選への出馬意向を表明。賛成多数で東北6県の推薦を得た。これにより2期目出馬の意向を表明している現職の山本信夫会長(東京)と一騎打ちの選挙戦となる見込みだ。
生出副会長は今回の出馬理由について電話インタビューで「自由闊達な議論ができる日本薬剤師会執行部を作り、昨今向かい風の議論が続いている薬剤師の職能に『チーム日薬』として、明確かつ積極的に国民や関係諸団体に訴えていき、連携を深めたい。一方で国が推し進めるセルフメディケーションの推進は薬局にとっては追い風であり、その流れに乗って国民のための薬局の姿を迅速に変革するべきだと考えている。その点から自分はその速度を早めることができると考え、今回の立候補表明に至った」と説明した。
そのうえで「変革期に当たって薬局薬剤師は多くの不安を抱え、一方で日本薬剤師会に強い期待もある。だからこそ自分がその先頭を切って走り、不安の解消に努めたい」と強調した。
「スイッチOTCの市場投入推進にも力を発揮していきたい」
生出副会長は厚生労働省薬事・食品衛生審議会の要指導・ 一般用医薬品部会委員も務めるなどOTC領域にも明るいことが強みの1つ。「薬局が調剤中心という印象を多くの国民は持っているだろうが、会長になった暁にはそれにとどまらずOTC、在宅医療への展開も含めた総合的な薬局の在り方を追求し、スイッチOTCの市場投入推進にも力を発揮していきたい」との見解を表明した。
生出副会長は1950年生まれで東北薬科大卒。仙台市中心部の「おいで薬局」代表取締役として同薬局を経営するほか、宮城県薬剤師会会長、日本薬剤師会常務理事などを経て、08年4月から日本薬剤師会副会長を務めている。11年3月の東日本大震災では、現地で災害対策の最前線で陣頭指揮を執ったことでも知られ、2014年「秋の褒章」では藍綬褒章を受章している。(村上和巳)
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