厚労省は8日、国の承認と異なる方法で血液製剤を製造し、査察に対して不正な製造記録を作って組織ぐるみで隠ぺいしてきた化血研に対して医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき、過去最長となる110日間の業務停止命令を出した。
こうした事態を受け、医薬品製造販売業者に対し、全ての医薬品の製造実態が承認書に即しているか点検するよう19日付で各都道府県担当者に通知を発出。客観性を確保するため、製造部門以外の者が点検し、2月19日までに報告するよう求めている。中垣氏は、各都道府県の担当者に対し、「管轄下の医薬品製造販売業者に速やかに点検を実施するよう指導をお願いしたい」と求めた。
化血研問題を踏まえ、厚労省は査察の実効性を図るため、原則として事前通告していた現状を見直し、抜き打ちでの査察を実施することを報告。欧米の査察手法を調査し、参考となる手法については医薬品医療機器総合機構(PMDA)、都道府県の査察手法に導入する対応も示した。
一方、かかりつけ薬剤師・薬局の推進については、昨年10月にまとめた「患者のための薬局ビジョン」について、「2016年度はビジョンの実現に資するテーマ別モデル事業を、都道府県からの申請内容を評価した上で委託することとしており、事業に必要な予算の確保など円滑な実施に向けた協力をお願いしたい」と要請。また、健康サポート薬局の公表制度や不動産取得税の優遇措置の4月施行に向け、関係団体・関係機関への周知徹底を求めた。
また、地方分権改革の一環として、4月から医療用麻薬に関わる小売業者間の譲り渡しの許可権限等の移譲を実施予定となっているが、中垣氏は「今後、公布される法令の内容を十分に理解していただいた上で、適切な監視指導を行うための体制整備、施行準備、改正内容の積極的な周知をお願いしたい」と要請した。