中等症以上の顔面のアトピー性皮膚炎適応で承認申請を予定
アンジェスMG株式会社は1月19日、同社の自社開発品で核酸医薬であるNF-κB(nuclear factor-kappa B)デコイオリゴDNAを用いたアトピー性皮膚炎治療薬(軟膏製剤)について、国内で実施中の第3相臨床試験の症例登録が完了したと発表した。
同試験は、顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者約200例を対象として、同剤の有効性と安全性を確認する、プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験。2015年3月より被験者への投与を実施してきたが、このほど最後の被験者への投与が開始され、症例登録を完了した。今後は観察期間終了後にデータ解析を行い、良好な結果が得られた場合は、国内で中等症以上の顔面のアトピー性皮膚炎を適応症として承認申請を行う予定としている。
副作用の軽減にも期待
NF-κBとは、炎症や免疫が活性化し、活性酸素などによる酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起させるため活性化する主要な転写因子で、実際に、NF-κBの活性化は、アトピー性皮膚炎、乾癬、関節リウマチなど異常な炎症や免疫関連の疾患を引き起こし、病態を悪化させることが指摘されている。
NF-κBデコイオリゴDNAは、NF-κB結合部位のDNA配列をもつデコイオリゴ。転写因子そのものを標的とすることから、既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対し確実に効果が発揮されるなど、有効性の面でも治療薬として優位性があると考えられ、副作用の面でも軽減することが期待されている。
同社は、当初設計より早く最後の被験者への投与を開始することができ、患者に新しい治療選択肢を提供できるよう今後も取り組んでいくとしている。なお、同社はアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患を対象としたNF-κBデコイオリゴ DNAの独占的販売権に関して、塩野義製薬と契約している。
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・アンジェスMG株式会社 ニュースリリース