投与期間12週間の臨床試験開始
米国のアッヴィ社は現地時間の1月18日、ジェノタイプ1~6(GT1~6)型のC型慢性肝炎ウイルスに感染した患者を対象とするC型肝炎治療レジメン、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤ABT-493とNS5A阻害剤ABT-530による経口剤のみのリバビリン非併用、1日1回投与における安全性と有効性を検討する6件の国際第3相試験を開始したことを発表した。
今回のENDURANCE試験およびEXPEDITION試験は、同社の第3相C型肝炎パイプラインプログラムの一環として27か国、250以上の施設で実施され、全世界で約1,600人の患者を募集する予定。全6試験の有効性の主要評価項目は、投与12週後の継続的なウイルス学的著効(SVR)率としている。
ジェノタイプ1型では8週間投与も評価
ENDURANCE試験のうち4試験では、肝硬変を有していない患者を対象とし、最長12週間の投与期間で、同社が開発中のレジメンを検討。ENDURANCE-1試験では、GT1型C型慢性肝炎の患者を対象として、ABT-493/ABT-530投与後のSVR率を12週間の投与群に加え、8週間という短い期間での投与群でも比較する。ENDURANCE-2試験では、GT2型C型慢性肝炎患者を対象として、同社が開発中のレジメンをプラセボと比較検討する。ENDURANCE-3試験では、未治療のGT3型C型慢性肝炎患者を対象とし、同社が開発中のレジメンをソホスブビル/ダクラタスビルと比較検討する。ENDURANCE-4試験では、GT4~6型のC型慢性肝炎患者を対象とした評価を行う。
EXPEDITION試験では、治療困難なC型慢性肝炎患者を対象として、同社が開発中のレジメンを12週間の投与期間で検討する。EXPEDITION-1試験では、GT1、2、4~6型慢性C型肝炎ウイルスに感染した代償性肝硬変患者(Child-Pugh分類A)を対象に、同社が開発中のレジメンを検討。EXPEDITION-4試験では、代償性肝硬変を有するまたは有しない重度腎機能障害および末期腎疾患を合併したGT1~6型C型慢性肝炎患者を対象とする評価を行うとしている。
C型肝炎臨床開発プログラムでは、すべてのジェノタイプを標的とする経口剤のみの1日1回投与を12週間(ジェノタイプ1型の患者では8週間)行う治療選択肢を検討することにより、C型慢性肝炎の科学的知見およびC型慢性肝炎患者の臨床診療を発展させることを目標としている。同社は、これらの第3相試験の結果が、多岐にわたるC型肝炎患者のニーズを満たすことになると期待している。
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・アッヴィ合同会社 プレスリリース