2015年夏には米国で新薬承認申請、欧州で販売承認申請
小野薬品工業株式会社は1月14日、カルシウム受容体作動剤「エテルカルセチド塩酸塩」(ONO-5163)について、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として国内製造販売承認を申請したことを発表した。
同社は、2011年9月に旧KAI社(現Amgen社)と締結したライセンス契約に基づき、同剤について、日本で独占的に開発・商業化する権利を取得した。Amgen社は、同剤について、慢性腎臓病に伴う血液透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症を適応として、米国においては2015年8月に新薬承認申請(NDA)を、欧州では同年9月に中央審査方式による販売承認申請(MAA)を実施している。
透析ルートからの投与で、透析患者の服薬負担軽減に期待
二次性副甲状腺機能亢進症とは、慢性腎不全の合併症のひとつで、副甲状腺から副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病態。PTHが過剰に分泌されることにより、骨からのリンおよびカルシウムの血中への流出が促進され、骨痛や関節痛などの症状が引き起こされるといわれている。また、骨から溶け出したリンおよびカルシウムが全身の心血管系に蓄積することにより、動脈硬化などの心血管系障害の発症リスクが高まり、生命予後に影響を及ぼすことが報告されている。
同社によると、エテルカルセチド塩酸塩は、副甲状腺にあるカルシウム受容体に作用することによって、PTHの過剰な分泌を抑制し、血中のリン値およびカルシウム値を低下させる。また、静脈注射剤として開発されており、透析ルートからの投与が可能であるため、確実な投与が可能となり、透析患者の服薬の負担を軽減することが期待される。
▼関連リンク
・小野薬品工業株式会社 プレスリリース