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抗がん剤「レンバチニブ」、欧州で腎細胞がんの適応申請-エーザイ

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2016年01月14日 PM01:00

治療上の革新性の観点から、EMAが迅速審査指定

エーザイ株式会社は1月12日、欧州統括会社エーザイ・ヨーロッパ・リミテッドが、自社創製の新規抗がん剤レンバチニブメシル酸塩(一般名)について、進行または転移性腎細胞がんに係る適応申請を、新たに欧州医薬品庁()に提出したことを発表した。同剤はEMAより、治療上の革新性の観点からの貢献が期待される薬剤として、迅速審査の指定を受領している。

腎がんの罹患者数は欧州で約11万5,000人と推定されており、腎細胞がんは腎臓がんの90%以上を占めている。手術が難しい進行または転移性腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準だが、5年生存率が低く、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病となっている。

今回の申請に用いた臨床第2相試験(205試験)では、血管内皮細胞増殖因子を標的とした前治療歴を有する、切除不能な進行または転移性腎細胞がんの患者を対象に、(18mg)/エベロリムス(5mg)併用投与、レンバチニブ単剤(24mg)投与、エベロリムス単剤(10mg)投与の3群の有効性と安全性を比較した。

臨床試験で無増悪生存期間を有意に延長

同試験において、併用投与群は、エベロリムス単剤投与群と比べて、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に延長。また、レンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、PFSを延長した。さらに、併用投与群およびレンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群と比較して、より高い奏効率を示した。同試験での併用投与群における主な有害事象は、下痢、食欲減退、疲労であり、グレード3以上の主な有害事象は、下痢、高血圧、疲労だったとしている。

レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼ(RTK)に対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能な新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。

現在は「(R)」の商品名で、甲状腺がんに係る適応で、米国、日本、欧州で販売されている。また、同剤は、進行または転移性腎細胞がんの適応に関し、米国食品医薬品局(FDA)よりブレイクスルーセラピーの指定を受けており、2015年11月に適応拡大申請を提出。加えて、日本の当局とも同様の適応で申請に向けた協議を行う予定。

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